ADHD(注意欠陥多動性障害)とは

ADHD(注意欠陥多動性障害)とはAttention Deficit/Hyperactivity Disorderの略称で、日本語で言うと注意欠陥多動性障害と呼ばれる神経発達障害の一つです。

ADHDは、集中力や注意力が不足していたり、余計な動きが多かったりすることで、日常生活に支障をきたす病気です。
ADHDの症状は、子供の場合は小学校入学時に現れることが多いとされています。

子供のADHD(注意欠陥多動性障害)の症状と特徴

ADHDの症状は、注意力や衝動性、多動性などがあります。
子供の場合は、注意を引き出すことができず、

  • 授業中や宿題中に集中力を維持することが難しい
  • 落ち着きがない
  • 思い立ったらすぐに行動してしまう

などの症状が現れることが多いです。
また、友達とうまく付き合うことができなかったり、勉強が苦手だったりすることも多いようです。

ADHDの診断テスト方法

ADHDの診断テストには

  • 医師による診断
  • 神経心理学的テスト
  • 学校関係者との面接

などがあります。

医師による診断では、診断基準に基づいた症状の確認が行われます。
神経心理学的テストでは、認知機能の評価が行われます。
学校関係者との面接では、子供の行動や学業の状況、家庭での状況などが詳しく聞かれます。

ADHDの医師による診断方法

主に以下の手順で行われます。

問診

医師は、患者や家族から症状や状況について詳しく聞きます。
これにより、症状の程度や持続期間、日常生活への影響などを把握します。

診断基準の確認

ADHDの診断には、一般的にDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)やICD(International Classification of Diseases)といった診断基準が用いられます。医師は、これらの基準に基づいて患者の症状を確認し、ADHDと診断できるかどうかを判断します。

他の疾患との鑑別:ADHDの症状は、他の精神疾患や神経疾患と似ていることがあります。医師は、患者が他の病気によって症状が引き起こされていないか、または他の病気と併存していないかを確認します。

身体的検査

症状が重い場合や他の病気との鑑別が必要な場合には、身体的な検査が行われることがあります。血液検査や脳波検査、脳画像検査などが含まれます。

多角的評価

ADHDの診断は、医師だけでなく、教師や心理士、学校関係者などの意見も取り入れることが重要です。これにより、患者の日常生活での状況を正確に把握し、適切な診断と治療が行われます。

ADHDの神経心理学的テスト

神経心理学的テストは、ADHDの診断や評価の一部として行われるテストで、患者の認知機能や行動の特徴を評価する目的で実施されます。

注意力

ADHDの主な症状である注意力の問題を評価します。
患者が特定のタスクに集中できるかどうか、また、その持続性や選択性を調べるためのテストが行われます。

記憶力

短期記憶や長期記憶力を評価するテストが実施されます。
これは、ADHDの患者が学習や情報処理に困難を抱えているかどうかを判断するためです。

実行機能

計画性、組織性、柔軟性などの認知機能を評価します。
ADHDの患者は、これらの実行機能に問題を持つことがあります。

衝動制御

衝動性はADHDのもう一つの主要な症状です。
患者が自分の行動や反応を適切に制御できるかどうかを評価するテストが行われます。

処理速度

情報処理速度は、ADHDの患者に影響を与えることがあります。
そのため、処理速度を測定するテストも実施されることがあります。

ADHDの神経心理学的テスト結果は、ADHDの診断や治療計画の立案、また他の疾患との鑑別に役立ちます。
ただし、神経心理学的テストだけでADHDを診断することはできず、医師による診断や学校関係者との面談など、他の評価手法と組み合わせて診断が行われます。

ADHDの学校関係者との面接

子どもが学校でどのような行動や学業の問題を抱えているかを把握することで、医師はより正確な診断を行い、適切な支援や治療を提案できます。
学校関係者との面接では、以下のような手順や方法が取られることが多いです。

面接相手の選定

面接には、担任教師、学校のカウンセラーや心理士、特別支援教育の担当者など、子どもと密接に関わっている学校関係者が参加します。

学業の状況の確認

子どもの成績や学習状況、勉強に対する態度やモチベーションなどを確認します。
ADHDの子どもは、注意力や集中力の問題から学業に困難を抱えることがあります。

行動や態度の観察

子どもの授業中や休み時間の行動、友達との関わり方、教師や他の大人に対する態度などを詳しく聞きます。
これにより、子どもが日常生活でどのような問題を抱えているかを把握します。

学校での支援や取り組み

学校で既に行われている支援策や取り組みがあれば、その内容や効果を確認します。
これにより、今後の支援計画や治療の参考となります。

親との連携

学校関係者は、親との連携や情報共有を通じて、子どもの状況を把握し、適切な支援を行うことが重要です。
面接では、これまでの連携の状況や改善点などを話し合います。

これらの手順や方法を通じて、学校関係者との面接では、子どもの学校での状況や問題点を詳細に把握します。

さいごに

ADHDの診断は、早期に行うことが重要です。
生きづらさを感じながら生活することから解放されます。
子供の個性にあった人生を送るためにも適切な治療やサポートを受けることで、症状の改善や将来への影響を軽減することができるでしょう。