ご自身のお子様が不登校になると、甘えているだけなのではないか、さぼりたいだけのように見えるなどの気持ちが湧いてくる方もいらっしゃるでしょう。しかし、頭ごなしに甘えと決めつけて、お子様を叱ってしまうと、親子関係が悪くなってしまう可能性があります。

そこで本記事では、不登校は甘えなのかどうか、甘え型依存タイプのお子様の特徴について解説します。不登校になってしまっているお子様に対して理解を深めたい方や、どのように接すれば良いかわからない方は是非参考にしてみてくださいね。

不登校は「甘え」?

結論から言うと、不登校は甘えではありません。

保護者の方から見ると、単に学校に行くのが面倒なだけではないか、勉強をさぼりたいのではないかなどと思うかもしれません。しかし、これまで通えていた学校に通えなくなるということは、そうならざるを得ないことが学校で起きている可能性が高く、お子様は精神的なダメージを受けているかもしれません。

こういった場合に、「甘えるな」と言ってしまうとお子様は保護者の方に不信感を抱き、自分を理解してくれる人はいないと心を閉ざしてしまうことになるでしょう。

そのため、お子様が甘えると感じているのであれば、甘えだと理由を決めつけて無理に学校に行かせようとするのではなく、お子様の声に耳を傾け学校に行けなくなってしまった具体的な原因を見つけ、改善してあげるように努めることが何よりも大切なのです。

甘え依存型タイプの特徴

不登校にはタイプがあり、その中の1つが甘え型依存タイプです。このタイプのお子様は、保護者の方の目線から見ると、甘えているだけに見えてしまう傾向があります。主な特徴は以下の通りです。

  • 些細なトラブルで精神的に大きなダメージを受けてしまう
  • 我慢することが苦手
  • ルールを守ることが苦手
  • 集団行動が苦手
  • 年齢と比べて幼く感じ、自立する気持ちが弱い
  • 規則正しい生活習慣が身についていない

甘え依存型のお子様は以上のような特徴があり、学校生活や人間関係、日常生活などに苦戦してしまうことが多いです。

また、甘え依存型タイプは、身体的な不調を理由に学校を休み、その後から継続的に学校を休むようになってしまうことが多いようです。また、登校時間が過ぎ、学校に行かなくても良いことがわかると元気になり、自宅で自分の好きなことを始めるという傾向があります。

不登校のお子さんへの親の対応

ここまでの解説で、不登校は甘えではなくお子様のSOSであることを理解していただけたかと思います。しかし、そんなお子様に対してどのように関わればよいのか悩んでしまう方も多いでしょう。

そこでここからは、不登校のお子様に対して保護者の方がどのように対応すればよいかを解説していきます。不登校のお子様との接し方に悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。

学校に無理に行かせない

お子様の様子が甘えに見えてしまうと、学校に無理にでも活かせようと思ってしまう保護者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、お子様を無理に学校に行かせようとしてはいけません。無理に学校に行かせようとすると、お子様は保護者の方に対しても心を閉ざしてしまい、親子関係に大きな溝を作ってしまう原因になる可能性があります。

そのため、お子様が学校に行きたくないと言っている場合は、まずその気持ちを認めてあげて、お子様が安心して学校を休めるようにしてあげることを心掛けてみてください。

学校以外に居場所を作る

子ども時代を思い出してみると分かるように、お子様にとって学校というコミュニティは非常に重要で、その学校に通えなくなってしまうと大きな孤独を感じてしまうことになります。

そのため、学校以外の居場所を作ってあげるようにしましょう。習い事や地域のコミュニティ、フリースクールなどどんなものでも構いませんが、お子様が前向きに参加できる場所を探してあげてみてください。

また、こういったコミュニティに属すことで、人間関係について学びを得たり、社会性を身につけられたりなど、今後の人生において役立つことを学べる機会となるでしょう。

様々なことに挑戦させる

不登校のお子様は、「学校に行けない自分はダメだ」「他の人よりも劣っている」と自信を失ってしまう傾向があります。このように自信を失ってしまうと、自分の将来を前向きに考えられなくなってしまうので、非常に危険です。

そのため、お子様には色々なことに挑戦させ、成功体験を与えてあげましょう。成功体験をすることで、自分の良さに気づけたり、自分に自信を持てるようになったりします。

また、様々なことに挑戦することで、打ち込めるものが見つかったり、将来について考えるきっかけとなったりすることもあるでしょう。はじめは小さなことでも構わないので、ぜひ積極的に色々なことに挑戦できるようにサポートしてあげてください。

まとめ

今回は、不登校は甘えなのかどうか、甘え型依存タイプのお子様の特徴について解説しました。

不登校のつらさは本人にしかわからないものであり、親だからと言ってすべてを理解できるわけではありません。そのため、不登校は甘えだと決めつけて叱ったり、無理やり学校に行かせようとしたりしてはいけません。

しかし、だからと言って何もしないのもいけません。子どもの声にしっかりと耳を傾けたり、ポジティブな声掛けをしたりするなど、少しずつ実践していきましょう。また、家庭内での対応が難しいと感じる場合は、学校の先生やスクールカウンセラー、不登校専門の家庭教師などに相談してみましょう。