高校入試と聞くと、偏差値や内申点を上げることが何よりも大切なことだというふうに思われがちですが、入試情報を正しく理解していないと、せっかく努力して身につけた学力を存分に発揮できない可能性があります。

また、公立高校の入試制度は、地域によって異なることはもちろん、変更されることもあるため、受験する地域の最新情報をしっかりと把握しておく必要があります。

そこで今回は、2022年埼玉県公立高校入試情報について解説します。

倍率や選抜基準など細かい部分まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

▼目次

2022年埼玉県公立高校入試の日程・志願者数・倍率

入試制度や入試情報は複雑で、理解しづらいというイメージを持っている人は少なくないと思います。

そこで、まずは入試の基本概要である入試日程や受験者数倍率などの理解がしやすい部分から把握していきましょう。

2022年埼玉県公立高校入試の日程

2022年埼玉県公立高校入試は以下の日程で実施されました。

願書提出 2月10日(木)、14日(月)、15日(火)
志願先変更期間 2月17日(木)、18日(金)
学力検査 2月24日(木)
実技検査・面接 2月25日(金)
入学許可候補者発表 3月4日(金)
追検査 3月7日(月)
追検査入学許可候補者発表 3月9日(水)

公立高校入試の日程で、必ず把握しておくべき日程は、願書の出願期間、学力検査日、実技検査・面接日、合格発表日の4つです。

ほかの日程については、必要に応じて把握するようにしましょう。

また、時期は同じであっても、日程は毎年同じというわけではないので、受験する年の日程をきちんと把握しておくようにしましょう。

2022年埼玉県公立高校入試の募集人数・志願者数・最新倍率

2022年埼玉県公立高校入試の全日制の募集人数は、37,120名と、昨年と比べて680名募集人数が増加されました。

また、定時制は2,140名でした。

この人数に対して、2月15日(火)時点の志願者は、全日制が40,453名、定時制が1,064名で、倍率は、全日制が1.09倍、定時制は0.52倍となりました。

倍率とは、募集人数に対して、志願者数がどのくらいいるかという割合で、倍率が1.00であれば、募集人数と志願者数が同数、1.00を上回る場合は、志願者数が募集人数を上回っていることになります。

つまり、2022年埼玉県公立高校入試では、全日制は志願者数が募集人数を上回り、定時制は志願者数が募集人数を下回ったということがわかります。

【昨年比】志願者数が増加した学校

昨年と比べ、受験者が増加した主な学校は以下の通りです。

  • 岩槻高等学校
  • 浦和北高等学校
  • 所沢中央高等学校
  • 所沢西高等学校
  • 松山女子高等学校

昨年と比べて志願者数が増加したからといって、倍率も大幅に上がったと言うわけではありません。

浦和北高等学校や所沢西高等学校は、募集人数が増加しているため、それを理由に志願者数が増えたことも考えられます。

そのため、まずは志望校の候補となる学校の募集人数・志願者数・倍率の3項目をきちんと把握しておくことが大切です。

2022年埼玉県公立高校入試の要項

ここからは少し複雑になりますが、2022年の埼玉県公立高校入試の要項について解説します。

ここで解説する検査方法は、勉強内容にも直結する内容なので、必ず把握しておきましょう。

また、出願はお子様が行う場合もあるため、お子様にも情報を共有しておくことがおすすめです。

出願・出願可能学校数

2022年埼玉県公立高校入試の出願期間は、2月10日(木)、14日(月)、15日(火)の3日間でした。

埼玉県公立高校入試では、基本的に出願可能学校数は1校と定められています。

ただし、同じ課程に複数の学科がある高校、もしくは普通科でコースを設置している高校は第2志望まで選択することができるため、注意が必要です。

検査方法

2022年埼玉県公立高校入試では、学力検査・実技検査・面接の3つの検査が実施されました。

《学力検査》
学力検査では、国・数・英・理・社の5科目を実施し、各科目の配点は100点、制限時間は50分間で行われました。

また、後ほど詳しく説明しますが、一部の学校では、数学と英語のテストが「学校選択問題」で学力検査が実施されています。

《実技検査》
実技検査は、芸術学科や体育科、スポーツコースなど、専門性の高さが求められる学科やコースで実施されました。

また、外国語科や外国語コースでは、英語による質疑応答などが行われる場合もあります。

《面接》
面接は、実技試験を実施しない学校や学科、コースで行われます。

面接の形式は、個人面接の場合と集団面接の場合があります。

埼玉県公立高校入試の仕組み【選抜基準?学校選択?】

公立高校受験では、その地域特有の入試制度や選抜基準などがあります。

そこでここからは、埼玉県公立高校入試の仕組みについて解説します。

「学校選択問題」と聞いても、意味や内容を説明できないという人は、ぜひ一度目を通してみてください。

仕組み

埼玉県公立高校入試では、1回の試験結果で2度の選抜を行い、合格者が決められます。

第1選抜と第2選抜の主な違いは、学力検査と調査書の点数の比率を設定できる範囲です。

第1選抜では、学力検査点の割合と調査書点の割合が6:4~4:6の範囲の中で、各学校が設定を行います。

一方、第2選抜では、7:3~3:7とかなり幅広い範囲で設定することができます。

つまり、第1選抜では、学力検査と調査書の点数をバランスよく評価してもらうことができますが、第2選抜の場合は、学力調査を重視するか、内申書を重視するか、各学校の考え方が大きく反映されるのです。

また、第1選抜で定員の約70%、第2選抜で約30%の合格者が決まるということも知っておきましょう。

学校選択とは?

先ほど少し触れた、学校選択問題とは、簡単に言うと難易度の高い問題です。

偏差値の高い一部の高校が実施しており、英語と数学があります。

学校選択問題を取り入れている主な学校は以下の通りです。

  • 浦和高等学校
  • 春日部高等学校
  • 所沢高等学校
  • 熊谷女子高等学校

約20校が、学校選択問題で学力検査を実施しているため、志望している学校が学校選択問題の実施校かどうかを事前に確認しておく必要があります。

まとめ

今回は、2022年埼玉県公立高校入試情報について解説しました。

入試情報は、複雑な内容が多いため、理解しようと向き合うことに苦痛を感じる人もいると思います。

また、お仕事などで忙しくしている方にとっては、面倒なことの1つと認識されてしまっているかもしれません。

しかし、入試情報を正しく把握することは必須であり、情報の見落としや認識の違いによってお子様の努力を無駄にしてしまう可能性もあります。

そのため、入試情報を理解しようと努力することはもちろんですが、難しい場合は、学校の先生や学習塾、家庭教師などに気軽に質問してみてください。