3月に入り、多くの中学校の受験や合格発表が終了しています。

今年、中学受験を迎えた方は安堵の気持ちが大きいかもしれませんが、来年や再来年に受験を控えるお子様をお持ちの保護者の方は、今年の中学受験の傾向を把握しておかなければと、ハラハラしているのではないでしょうか。

そこで今回は、2022年の中学受験の傾向について解説します。

中学入試全体の傾向はもちろん、中学受験人気が過熱している理由や人気校の状況について解説するので、ぜひ一度目を通してみてください。

▼目次

受験者増!2022年中学受験の傾向

コアネット教育総合研究所が発表した「2022年首都圏中学入試総括レポート」 によると、2022年の首都圏の中学受験者数は 62,400 名でした。

この人数は、中学受験者数が過去最多となった2009年の次に多い人数であり、昨年の2021年と比べると、約700名増加しています。

また、中学受験率は、21.1%にも上っており、小学6年生の内5人に1人が中学受験に挑戦していることがわかります。

小学6年生の人口は年々減少している上に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などがあったにもかかわらず、受験者数が大幅に増加していることから、中学受験の人気が過熱していることが読み取れます。

中学受験が過熱しているワケ

しかし、なぜ今中学受験の人気が過熱しているのでしょうか。

そこでここからは、中学受験が過熱している理由について解説します。

中学受験をするか決めかねている方は、ぜひ一度目を通してみてください。

コロナ禍での教育体制

「新型コロナウイルスの影響により、休校になり勉強が遅れている」「オンライン授業の導入には地域格差がある」などのニュースを耳にしたことはないでしょうか。

こういったニュースの多くは公立校のことであることが多く、コロナ禍での教育体制を不安視する声も上がっています。

一方、私立中学では、コロナ禍になる前から、ICT教育などが積極的に行われていたことなどにより、コロナ禍になってからも迅速にオンライン授業に切り替えられ、早い段階から授業が再開されている学校が多くありました。

こういった状況から、お子様の勉強を止めないためにも、私立中学を選ぶという方が増えているのです。

大学入試制度の変革

2021年度から、これまでの大学入試センター試験から大学入学共通テストに変わりました。

大学入学共通テストは、問いに対して答えを出せばよいというものではなく、表現力や判断力、思考力が問われる複雑な問題となっており、大学受験をできるだけ楽に乗り越えさせてあげたいと考える保護者の方が、中学受験を選択することが増えています。

大学附属の私立中学に入学することができ、在学中にきちんと勉強し、ある程度の成績を取れていれば、内部進学ができるため、高校受験や大学受験をする必要がなくなります。

また、私立中学は、公立中学と比べて、授業のスピードが速く、受験対策をしっかりと行っている傾向があるため、高校受験や大学受験をするつもりであっても、私立中学を選択する方が多くなってきているのです。

中学受験人気校・定番校の状況

来年や再来年に中学受験を控える保護者の方であれば、首都圏の男子御三家・女子御三家など人気の中学校の現状が気になると思います。

そこでここからは、首都圏の男子御三家・女子御三家と人気の共学校の現状について紹介します。

男子御三家は麻布・武蔵の受験者数が増加傾向

2022年の中学受験で人気が高かった男子御三家の1つは、麻布中学校です。

2021年と比べて受験者数が6%増加しました。

偏差値65を超える名門私立中学であることはもちろんですが、生徒の自主性を尊重する校風で、校則はほとんどなく、私服通学が可能なところも大きな魅力です。

また、武蔵高等学校中学校も、2021年と比べて9%受験者数が増加し、人気を高めています。

武蔵高等学校中学校は、完全中高一貫校なので、中学受験で入学できれば、高校受験をする必要がありません。

東大合格率1位の開成高校にエスカレーター式で進学できる開成中学校の受験者数は、前年とほぼ変わらないという状況でした。

女子御三家は女子学院が人気に

女子校で人気が高かったのは、千代田区に校舎を構える女子学院中学校です。

2021年と比べて受験者数が6%増加しています。

女子学院中学校は、生徒の興味関心を尊重した教育を行っていることが特徴です。

女子学院中学校は、完全中高一貫校なので、高校からの入学はできず、入学を希望する場合は、中学受験で合格する必要があります。

また、関東の女子御三家の桜陰中学校と双葉中学校は、前年と比べ若干受験者数が減少しました。

2022年の中学受験で人気が高かった共学の私立中学

2022年の中学受験で人気が高かった共学校は、偏差値45~55あたりの中堅校と呼ばれる学校です。

特に、駒込中学校は、男女ともに2021年と比べ約20%受験者数が増加しており、その人気の高さがうかがえます。

また、順天中学校は、男子は38%増、女子は20%増と受験者数を大きく伸ばしました。

駒込中学は、グローバル教育はもちろん、ICT教育やITやテクノロジーに強いSTEM教育などの教育を取り入れていることが大きな魅力です。

まとめ

今回は、2022年の中学受験の傾向について解説しました。

保護者の方は、お子様の勉強をサポートすること目がいきがちになってしまうこともあるかと思いますが、中学受験は、情報戦という側面も大きいため、常に最新の情報を収集しておくことが重要です。

また、志望校に関する情報や偏差値や倍率などの入試情報を、適度にお子様に共有すれば、勉強に対するモチベーションアップにもつながる場合があるので、ぜひ積極的に情報収集を行ってみてください。