「中学受験で出題される算数は、小学校で習う算数とは違う」「小学校で習う算数ができるだけでは、中学受験は受からない」など、中学受験を検討している保護者の方であれば、一度は聞いたことがある内容ではないかと思います。

こういった情報は事実であり、中学受験をするためには、学校では習わない特殊な計算や解法を身につける必要があるのです。

そこで今回は、中学受験で必要とされる算数と小学校で学ぶ算数の違いについて解説します。

また、中学受験に向けて、算数を勉強し始めるべきタイミングやおすすめの勉強方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

▼目次

中学受験の算数の特徴!小学校との違いとは?

小学校の算数では、四則計算をはじめ、面積や体積を求める公式など、算数における基本的なルールや公式を学びます。

しかし、中学受験の算数では、小学校で習う公式に当てはめるだけでは解けないような問題が出題されます。

1つの問題の中で、様々な公式を利用する問題や、公式を工夫して活用しなければ解けない問題など、複雑な問題が多くなります。

また、「旅人算」「流水算」「つるかめ算」など特殊算を知っていなければ解けない問題も出題されるため、高い思考力が求められます。

中学受験の算数の勉強を始めるベストタイミング

高校受験や大学受験では、1年前から勉強を開始するイメージが強いかもしれませんが、中学受験は小学4年生から勉強を始めることが一般的で、小学6年生から勉強を始めても間に合わない可能性が高いです。

なぜなら、中学受験をする子どもは、小学4・5年生のうちに小学6年生までの学習内容を終わらせ、小学6年生の1年間は、問題演習や過去問演習を行う必要があるからです。

特に集団の学習塾の場合は、上記で説明したようなスケジュールでカリキュラムが組まれていることが多いため、小学6年生から中学受験を目的に入塾を希望しても、断られてしまうということもあります。

そのため、中学受験の算数の勉強を始めるベストタイミングは4年生の春、遅くとも5年生の春には勉強を始めることが必須となります。

中学受験の算数のおすすめ勉強方法

「計算が遅いから算数は嫌い」「算数ができるのは頭の良い子だけ」など、算数に対する苦手意識を持っている子どもは少なくありません。

しかし、中学受験において、算数ができるか否かは、合否を分ける重要なポイントとなります。

そこでここからは、中学受験におすすめの勉強方法を2つ紹介します。

①基礎問題を繰り返し解く

1つ目は「基礎問題を繰り返し解く」ということです。

中学受験で出題される問題は、応用問題ばかりというイメージかもしれませんが、冒頭の数問は基礎問題であることがほとんどです。

そのため、そういった問題を落とさないためにも、スピードはもちろんケアレスミスなく正確に解く力を養うことが重要です。

また、応用問題は、小学校で習う内容ができることを前提に作られているものばかりなので、応用問題を解くためにも、基礎的な公式や解法をスムーズに使えるよう、演習を繰り返すことが重要なのです。

さらに、計算のスピードや正確性に課題を抱えている場合は、毎日時間を計りながら百マス計算などを行っていると、徐々にスピードや正確性が上がっていくため、おすすめです。

②毎授業ごとに復習を行う

2つ目は「毎授業ごとに復習を行う」ということです。

中学受験をするのであれば、学習塾に通っていることが多いと思いますが、予習以上に復習に力を入れましょう。

学習塾の算数の授業は、1つの分野を1回の授業で一気に進めることはできないので、数時間かけて授業が行われることがほとんどです。

そのため、前の時間に学習したことがわからなかったり、理解が中途半端な状態になってしまったりすると、その時間の授業もわからなくなってしまい、勉強の理解度が徐々に下がっていってしまいます。

また、学習塾の授業だけでは、解き方や考え方をすぐに忘れてしまう可能性が高いので、帰宅後や次の授業の前日に復習する時間をとると、より知識が定着しやすく、問題もスムーズに解けるようになるでしょう。

中学受験の算数を得意にする方法

算数の得意不得意について、「生まれ持ったセンスがあるから」「親が理系だったから」など様々なことを言われていますが、これは誤りです。

基本的に算数において、センスは関係のないもので、得意・不得意という感覚は別のところから現れます。

それは、「ゲーム感覚で解いているかどうか」ということです。

算数が苦手な子どもは、授業で習った解法に従って、「勉強」として問題を解く傾向があります。

その一方で、算数が得意な子どもは、解法に縛られるということはなく、「この解き方ならもっと早く解ける!」「この解き方以外にもいろいろな解き方ができる!」などと、新たな解法を自分で導き出すことに長けており、「ゲーム」として、算数の問題を解いているのです。

つまり、算数を得意にするためには、1つ解法にとらわれずに、様々な解き方を知ることが大切なのです。

そのため、1つの問題に対して様々な解法を学べるような環境に変えてあげることから始めてみましょう。

学習塾では難しいのであれば、家庭教師などを利用すると良いでしょう。

まとめ

今回は、中学受験で必要とされる算数と小学校で学ぶ算数の違いについて解説しました。

特殊算に対して苦手意識を持ってしまう子どもはたくさんいます。

しかし、特殊算は、受験で必要ということはもちろんですが、読解力や論理的思考が養われる勉強でもあるため、特殊算で培われた力は、他の科目でも必ず活かされます。

そのため、すぐにできるようにならなくても、気長に見守ることが大切です。

ただ、子どものモチベーションを維持することが難しい場合は、学習指導のプロである家庭教師や学習塾に頼ってみるのがおすすめです。