社会は、暗記が得意であったり、歴史や地理そのものに面白みを感じられたりすれば、得意科目になっていくでしょう。

しかし、そうでない子どもにとっては、「覚えることが多すぎてやる気が出ない」「何が面白いのかわからない」と、苦手意識を持ってしまう場合は少なくありません。

そこで今回は、社会に苦手意識を持っている子どもでも、勉強がはかどる効率の良い社会の勉強法を紹介します。

地歴公民の分野別の勉強法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

▼目次

点数アップを狙える社会の効率の良い勉強法2つ

社会は、せっかくテスト勉強で暗記をしても、その事柄がテストに出題されなかったり、覚えたつもりが本番でケアレスミスをしてしまったりするなど、なかなか点数に繋がらないということがあると思います。

そこでここからは、点数アップを狙える社会の効率の良い勉強法を2つ紹介します。

①教科書を音読する

1つ目は「教科書を音読する」ことです。

暗記をしようとして、教科書を目で追ったり、紙に書いたりしている子どもはたくさんいると思います。

しかし、教科書を音読する方が効果的です。

これは社会に限ったことではありませんが、声に出して覚えた方が、脳の様々な部分が刺激され、より効率的に暗記ができるのです。

②繰り返し問題集を解く

2つ目は「繰り返し問題集を解く」ことです。

歴史の流れや公民のしくみを理解するために、教科書や資料集を読むことは有効です。

しかし、細かい出来事や人名を正確に覚えるためには、音読だけでなく、問題集を繰り返し解くことが大切です。

はじめはなかなか解けないため、嫌になってしまうかもしれませんが、繰り返し解くことで知識が身に付き、細かい漢字のミスや覚え間違いにも気づくことができます。

また、問題集選びが難しいという場合は、教科書の準拠ワークを活用してみましょう。

準拠ワークは教科書の流れに沿って作られた問題集になるので、学校の授業やテスト範囲に合わせて勉強することができます。

【地理・歴史・公民】分野別の社会のおすすめ勉強法

「歴史は好きだけど公民は嫌い」「地理は覚えられるのに歴史になると全く頭に入らない」など、分野ごとに苦手意識を持っている子どもは少なくありません。

そこでここからは、各分野の特徴をつかんだ、地歴公民の分野別の勉強法を紹介します。

地理:大枠をつかんでから、細かく覚える

地理のおすすめ勉強法は、「大枠をつかんでから、細かく覚える」方法です。

地理は、国名や地域、様々な数値など、覚えなければならない情報量が多かったり、情報が細かかったりするので、どこから手を付ければ良いかわからなくなってしまうと思います。

そこで有効なのが、大枠をつかんでから、細かい部分を覚えるという方法です。

例えば、最初から細かい国名を覚えようとせずに、大陸や州、地域などの大枠をつかんでから、1つ1つの国名を覚えていくというものです。

こうすることで、位置関係はもちろん、気候の枠組みやなどもまとめて把握することができます。

はじめから細かい部分を覚えようとすると、覚えづらいことはもちろん、1つ1つの情報を覚えられたとしても、どういったつながりや関係性があるのかがわからなくなります。

そのため、地理を覚える際は、大きいカテゴリーや項目を覚えてから、細かい内容を覚えるようにしましょう。

歴史:流れをつかむ

歴史は、「流れをつかむ」ことから始めましょう。

はじめから事件の名前や人名などを覚えようとしても、1つ1つの知識をゼロから理解する必要があるため、時間がかかってしまいます。

さらに、1つ1つの知識を覚えられたとしても、知識同士のつながりがわかっていなければ、問題を解くことが難しくなってしまいます。

そのため、まずは大きな流れから掴みましょう。

例えば、縄文時代から令和までの時代ごとの名称を覚えたり、明治時代から昭和までであれば、主要な戦争を順に覚えたりするなどが良いでしょう。

そうすることで、歴史の流れや時代背景、人々の生活の変化などをとらえることができ、流れの中で歴史の知識を身につけることができます。

公民:制度のしくみを理解した上で覚える

公民は「制度のしくみを理解して覚える」ことがおすすめです。

公民では、漢字が長く連なった言葉や似たような言葉、初めて聞く言葉などが多いため、言葉だけを覚えようとしても、なかなか覚えられず苦戦してしまいます。

しかし、制度のしくみを理解すれば、「こういう仕組みだからこの名前なのか」「この漢字にも意味があるのか」と、仕組みと共に知識を身につけていくことができます。

例えば、「小選挙区比例代表並立制」というような、長い言葉でも、制度を理解すれば、その内容を表現した漢字の組み合わせになっていることがわかります。

そのため、とにかく言葉を覚えようとするのではなく、制度のしくみを正しく理解することから始めましょう。

記述・時事問題にはどうやって対応する?

「選択問題であれば点数が取れるのに、記述問題になると、全く点数が取れなくなる」という悩みや「時事問題はどうやって対策すればいいの?」という疑問は、社会の勉強においてつきものです。

そこでここからは、社会の記述問題と時事問題の勉強法について解説していきます。

記述問題:基礎を固め、記述問題を繰り返し解く

記述問題では、「基礎を固め、記述問題を繰り返し解く」ことが有効です。

記述問題だからと言って、特殊な知識を問われているわけではなく、基礎的な知識を自分の言葉で説明できるかを問われている場合がほとんどです。

そのため、まずは基礎を固めます。

基礎を固めるとは、出題範囲の最重要語句、重要語句の正しい意味や表記で覚えるということです。

そして、基礎固めができたら、記述問題を繰り返し解きます。

はじめは何を書けばよいかわからないかもしれませんが、何も書かないということは避け、1つの単語だけでも書くように心掛けましょう。

そして、解答と照らし合わせていれば、徐々に回答を組み立てる方法がわかってきます。

また、繰り返し解くことで、記述問題よく出題される事柄がわかってくるので、強化すべきポイントを把握することができます。

時事問題:新聞を読む習慣をつける

時事問題の対策として有効なのは、「新聞を読むこと」です。

時事問題というのは、「そのニュースや事柄を知っているか」「それを知ってどのように考えたか」が問われます。

そのため、まずは日常的に新聞やニュースで情報に触れておくことが必須なのです。

テレビやネットのニュースも有効ではあるものの、時事問題として出題されないようなジャンルの内容も多いため、効率的ではないので、あまりおすすめできません。

ほかにも、家庭内でニュースについて話したり、時事問題専用の問題集で演習することも有効です。

やってはいけない社会の勉強法

ここまでおすすめの勉強方法を紹介してきましたが、社会の勉強法として適切でない勉強法も存在します。

その勉強法の1つが「まとめノートづくり」です。

まとめノートづくりは、一見有効な勉強法のように思われるかもしれません。

しかし、まとめノートを作るにはかなりの時間がかかるにもかかわらず、それほど知識が定着しません。

さらに、まとめノートを作った満足感で、テスト勉強を終了させてしまうという場合もあります。

そのため、まとめノートづくりは、テスト勉強には適さないのです。

また、真面目で几帳面な性格の子どもほど、テスト前にまとめノートを作ってしまっている場合があります。

他の科目と比べ社会の点数だけが伸び悩んでいたり、勉強時間をとっているのに点数が伸びないという場合は、まとめノートを作っていないか確認してみましょう。

まとめ

今回は、社会に苦手意識を持っている子どもでも勉強がはかどる、効率の良い社会の勉強法を紹介しました。

教科によって、苦手意識を持ってしまうことは仕方のないことです。

しかし、社会は小学校から高校にかけて学んでいく教科であることはもちろん、中学受験や高校受験、文系の大学受験でも必須とされる教科です。

そのため、少しでも早い段階で、社会に対する苦手意識を取り除いておくことが重要です。

どうしても、子どもの社会嫌いが克服できないという場合は、学習指導のプロである家庭教師や学習塾に相談してみることも1つの選択肢です。