自分の子どもが不登校になってしまったことに対して、ショックを受ける保護者の方は多いと思います。

またそれと同時に、これまでと全く違う様子のお子様とどう接すれば良いか悩む場合も少なくないでしょう。

そこで今回は、不登校児が増加している理由やお子様が不登校になった時の接し方について紹介します。

「子どもが不登校になってから、どのように接すればよいかわからない…」と悩んでいる保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

▼目次

不登校児は1990年以降、年々増加しています

不登校の児童生徒(小中学生)の数は、1990年から増加傾向にあります。

原因としては、学校を休むことに対する心理的ハードルが下がってしまっていることや、スマートフォンの普及により生活リズムが崩れてしまっていることなどが考えられます。

また、令和元年のデータでは、児童生徒1000人当たりの不登校の児童生徒の人数は18.8人に上っています。

この人数は、調査を開始した平成10年以降最多の人数となっており、多くの子どもが学校に行けない状況にあることがわかります。

不登校の多い理由

「どうして不登校になってしまったのだろう」とお子様が不登校になってしまった原因がわからず、悩む保護者の方も多いと思います。

そこでここからは、不登校の理由を3つに分けて、詳しく解説します。

学校環境

まず1つ目の理由は「学校環境」です。

学校では、日々色々なことが起きており、些細なことであっても不登校の原因になります。

また、一括りに学校環境と言っても、いじめや友人関係、学業不振、進路への不安など、様々な場合があります。

そのため、客観的な情報で原因を突き止めようとするのではなく、お子様との対話を重ねながら、原因を理解していくことが重要です。

家庭環境

2つ目の理由は「家庭環境」です。

家庭環境とは、生活環境の急激な変化や親子関係、家庭内の不和が挙げられます。

家庭は、子どもにとっての生活の拠点であり、安心して過ごすことのできる空間です。

そのため、家庭が安心できる場でなくなってしまうと、心が休まる時間が無くなり、心理的負担も大きくなってしまうのです。

仕事の事情や夫婦関係の変化によって、家庭環境が変わってしまうことは仕方のないことです。

しかし、子どもの負担になってしまうことも理解した上で、サポートを行うことが重要です。

子ども自身の状況

最後の理由は「子ども自身の状況」です。

子ども自身の状況とは、生活リズムの乱れや非行などの行動面の問題や、無気力・不安などの精神面の問題が挙げられます。

例えば、スマートフォンで夜中までゲームをしたり、SNSを見てしまうことで、生活リズムが崩れてしまい、朝起きられなくなることも、不登校の原因となります。

そのため、学校や家庭に原因が見当たらない場合は、お子様本人の生活リズムや交友関係に目を向けてみても良いかもしれません。

お子様が不登校になった時の接し方

「学校に行かなくなってから、一緒に過ごす時間が増えたもの、どう接すればいいのかわからない」と悩みを抱いている保護者の方は少なくないと思います。

そこでここからは、お子様が不登校になった時の接し方について解説します。

①現状を受け止める

まずは「現状を受け止める」ことが重要です。

自分の子どもが不登校になってしまったというのは、なかなか受け入れることが難しい状況かもしれません。

しかし、誰よりも苦しんでいるのはお子様本人です。

そのため、無理に学校に行かせようとしたり、学校に行かないことを叱るのではなく、お子様の現状を受け入れるように努めましょう。

②今まで通り接する

そして何よりも重要なのが「今まで通り接する」ことです。

不登校になってしまった子どものことを考えると「できることは何でもやってあげたい」という思いになる保護者の方も多いと思います。

しかし、そうしてしまうと保護者の方に頼り切った生活になってしまい、むしろ不登校を長引かせてしまう可能性があります。

そのため、「ご飯はリビングで食べる」「「おはよう」と「おやすみ」は必ず言う」「一言でもいいから、毎日必ず会話をする」など、これまでの日常でやってきたことを続けるようにしましょう。

③無理に気持ちを聞き出さない

保護者の方からすると、不登校になってすぐのタイミングで、「どうしたの?」「何があったの?」「どうして学校に行かないの?」と聞きたくなってしまうと思います。

しかし、お子様の心情としては、「学校に行かない」という大きな決断をしなければならない程なので、精神的に追い込まれている可能性が高いです。

そのため、本人が話してくれるタイミングを待ちましょう。

そして、話してくれるタイミングが来れば、言葉を遮ることなくしっかりと耳を傾けましょう。

どうしても、話を聞きたい場合は質問するのではなく、「私は学校に行かなくても、他の方法を探してみても良いと思うよ」など、親としての思いを伝え、お子様が話しやすい雰囲気を作ってあげると良いでしょう。

学校がすべてではない。一人一人の個性にあった教育を

年々、不登校の児童生徒が増加していることもあり、昔と比べると不登校の児童生徒に対する教育機関やサービスが多く存在し、そのサポートは非常に充実したものとなっています。

そこでここからは、一人一人の個性にあった教育を受けられる教育機関やサービスを紹介します。

①フリースクールに切り替える

1つ目は「フリースクール」です。

フリースクールとは、何らかの事情により学校に行けない児童生徒が通うことができる教育施設です。

通常の学校とは違い、1人ひとりに寄り添った丁寧なサポートを行ってくれることが魅力です。

また、学習内容についても強制されることはなく、好きな科目や興味のある物事について勉強することができます。

②不登校専門の家庭教師を利用する

2つ目は「不登校専門の家庭教師」です。

一度不登校になってしまうと、外に出ることや同じ年代の人と会うことに対して、恐怖を感じてしまう可能性があります。

そんな場合には、自宅で勉強することができる不登校専門家庭教師がおすすめです。

家庭教師と聞くと、学習面のサポートが強いイメージがあるかもしれません。

しかし、不登校専門の家庭教師であれば、家庭教師のほかにカウンセラーが在籍していることが多いため、精神面のサポートも安心して任せることができます。

まとめ

ここまで、不登校の児童生徒が増加している理由やお子様が不登校になった時の接し方について紹介しました。

繰り返しにはなりますが、不登校の児童生徒を対象にした教育機関やサービスが多く存在します。

そのため、無理に学校に行かせようとするのではなく、お子様が楽しんで勉強できる環境を探すのも1つの手段です。

お子様が不登校になってしまい、不安や焦りを感じてしまうかもしれませんが、時間をかけて向き合い、お子様を理解することが、不登校を乗り越える近道です。