2021年度の中学受験ーコロナ禍の人気学校を徹底分析!
新型コロナの感染拡大の影響が大きかった2021年、学校や塾の休講もあり、中学受験生も例年とは大きく異なった形での受験が強いられました。
そんな今年度の中学受験の人気学校はどこだったのでしょうか。
この記事では、2021年度コロナ禍での中学受験の概況や傾向、人気の定番校や人気急上昇の学校を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
▼目次
2021年コロナ渦の中学受験
2021年のコロナ禍での中学受験の概況や傾向を解説します。
コロナの感染拡大の影響が大きかった2021年度の中学入試では受験生が減少することが危惧されました。
なぜなら、コロナによる休業の影響で収入が減った世帯が多かった中、我が子に中学受験させて私立中学に通わせるのは、ご家庭にとっては金銭的な負担がかなり大きくなるからです。
しかし予想に反して、コロナ禍の今年度においても、中学入試の受験者数は全体としては昨年より増加しました。
その主な理由としては以下の二つが考えられます。
一つ目は、長い時間をかけて勉強してきた我が子に、金銭的な理由で進路変更をさせるのは酷だったことです。
金銭的に多少の無理があっても、我が子が行きたいと思う学校に進学させてあげたかったという理由です。
二つ目は、コロナ禍での各学校の取り組みを評価したことです。
新型コロナの感染拡大の影響により、多くの学校で休校の期間がありました。
多くの私立中高はオンラインをうまく活用し、学習に支障が生じないようにしていました。
そのような取り組みを評価し、我が子を通わせたいと思ったご家庭が多かったのでしょう。
このように、コロナ禍の2021年度でも中学受験は衰退せず、受験者数は増加傾向にありました。
その背景には、コロナで落ち込んでいる社会情勢の中で、私立校の面倒見の良さへの期待や、公立校に通わせることへの不安があるのだと思われます。
ほかには、大学入試改革が数年後さらに進むと思われるため、大学受験方式の変更に対する対応や基礎学力の要請への期待の表れがあるとも考えられます。
コロナ渦でも変わらず人気の定番校
中学受験全体で見ると受験者数が増加しましたが、今年度は昨年に比べて受験者数が落ち込んだ学校もあります。
そんな中、コロナ禍でも例年と変わらず人気が高かったのが、大学付属校です。
近年続いている付属校の人気は相変わらず高く、早稲田大学、慶應義塾大学、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の付属校は難易度が上昇し、志願者が減少した学校もありますが、大きく減少することがありませんでした。
今年は早慶MARCHの付属校だけでなく、それらに次ぐ日本大学や東海大学、芝浦工業大学の付属校の人気も高まりました。
特に日大系唯一の男子校・日本大学豊山の増加が目立ち、昨年に比べて771人増え、前年比134%となりました。
青山学院大学系付属浦和ルーテル学院も志願者が前年より183人増え、前年比131%となりました。
コロナ渦の人気急上昇校
コロナ禍の2021年度中学入試で人気が急上昇した学校は、中堅校が多く目立ちました。
前年度より受験生が急増した都内の主要校をご紹介します。
共学校 | 開智日本橋、かえつ有明、淑徳巣鴨、青陵、多摩大目黒、東京農大第一、日大一、日大二、法政大学など |
---|---|
女子校 | 大妻、実践女子学園、女子美術大付、玉川聖学院、山脇学園、カリタス女子、日本女子大付など |
男子校 | 高輪、獨協、日大豊山、明大中野、サレジオ学院など |
上の表を見ると、先ほども書いたように日大の付属校をはじめとする大学付属校の増加が目立ちます。
それ以外でも受験生が急増した中堅校が多かったことがわかります。
理由としては、コロナで思うように受験勉強が進められなかった受験生が多く、安全志向になったという見方もあります。
しかし他の見方をすることもできます。
都内の中堅校である実践女子学園では、2021年度の入試での倍率が前年度と比べて大きく上昇しました。
入試回数 | 2020年度入試 | 2021年度入試 |
---|---|---|
第1回/2月1日午前 | 1.3倍 | 2.0倍 |
第2回/2月1日午後 | 1.1倍 | 1.8倍 |
第3回/2月2日午前 | 1.2倍 | 2.1倍 |
第4回/2月2日午後 | 1.2倍 | 2.5倍 |
第5回/2月3日午後 | 1.2倍 | 6.5倍 |
第6回/2月4日午前 | 1.2倍 | 7.7倍 |
実践女子学園では、対面での説明会が開催できない中、学校案内を動画にして配信したり、夏休みに2週間かけて1家庭に1人の教員が付き添って学校案内を行う試みをしたそうです。
ご家庭に寄り添った取り組みのおかげで、多くのご家庭が実践女子学園に魅力を感じたのが倍率に現れているのだと思います。
このようにコロナ禍においてもご家庭に寄り添ってニーズに応える取り組みをしている学校は高い評価を受け、受験者数が急増したケースが多く見られました。
まとめ
2021年度中学受験では、今までにはなかったコロナ禍でのご家庭や受験生に対する対応への評価によって志願者数の差がうまれました。
このようにコロナ禍での各学校の対応に目を向ける事で、ご家庭の教育方針とあっているか判断する材料になったり、今まで注目していなかった学校の魅力に気づくこともあるのではないでしょうか。
今後の志望校選びのポイントとして、コロナ禍での各学校の対応に注目してみるのもおすすめです。