国語の勉強ができるか否かについては、「センス」や「好き嫌い」など根拠のない理由で片付けられることが多く、明確な勉強がないように感じる方も多いと思います。

しかし、国語も正しく勉強すれば、誰でも文章を読めるようになり、問題も解けるようになります。

そこで、今回は国語が苦手な子に見られる共通点や、国語力を伸ばす効果的な教え方について解説します。

▼目次

科目としての国語(国語科)とは?

国語とは簡単に言うと「日本語について学習する科目」です。

単元としては、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」に分けられており、紙を使った一般的なテストでは、主に「読むこと」に関する力が問われます。

また、国語のテストは他の科目とは違い、問題文の中に答えがあります。

そのため、文章の内容が把握でき、何を聞かれているのかさえ分かれば答えられるのです。

これだけ聞くと非常に簡単なように感じますが、国語に対して苦手意識を持っているお子様はたくさんいます。

そこで、まずは国語を苦手と感じている子が抱えている課題について解説します。

国語が苦手な子に見られる共通点

語彙・漢字の知識が足りない

国語が苦手な子に圧倒的に多いのが、「語彙と漢字の知識量が足りない」ということです。

大人であっても、専門用語が多数出てくる文章は、内容を把握しづらいことあると思います。

このように、お子様にとっても意味の分からない言葉や漢字が出てくると、文章の内容が把握できず、設問にも答えられません。

そのため、一括りに「読解力が不足している」といっても、知識不足が原因の場合もあるのです。

イメージ力が足りない

イメージ力というのは「文章を映像化する力」のことです。

人間が一度に覚えられる数として、「7±2(マジカルナンバー)」が有名ですが、文章ではこのマジカルナンバーを超える数の内容を覚えられています。

それは文章を映像化し、ストーリーとし、各情報を結び付けて認識しているためです。

そのためイメージ力が足りないお子様は、文章を読み進めても、新たな情報が入ると古い情報が抜けていくため、文章全体の内容が分からなくなってしまうのです。

正しい読み方ができていない

そして最後のポイントが「正しい読み方ができていない」ことが挙げられます。

文章の内容が把握できていない場合は、主に2つの読み方が考えられます。

まず1つ目は、単語や文節を1つの意味の固まりとして認識できていない場合です。

これは、1文字を1つの音としてしか認識できておらず、文章自体の意味が分からないのです。

2つ目は、分からない言葉や読めない漢字を飛ばして読みつないでいる場合です。

この場合は、本人は読めていると思っていることが多いため、躓きに気づかないことがあります。

まずは、お子様と一緒に文章を読み、どのように読んでいるかを確認することが重要です。

小学生の国語力を伸ばす効果的な教え方

漢字・語彙

国語力を伸ばすためには、漢字と語彙が必須です。

漢字と語彙は教えるというよりも、お子様が覚えやすいようサポートすることが重要です。

漢字の勉強の工夫として、同じ漢字を使った熟語を数個並べ、「意味」や「読み方」などを一緒に考えるという方法がおすすめです。

この方法は、意味や読み、複数の熟語を一度に覚えられるので、非常に効率が良いです。

語彙は、分からない言葉を抽出し、自ら調べることによって知識が身に付きます。

例えば、読解問題を解く際に分からない言葉にチェックさせるようにします。

全て読み終わった後、チェックした言葉を辞書で調べ、ノートにまとめます。

そして、ノートに書いたものと照らし合わせて再度文章を読むと、内容の理解が深まります。

この方法は、語彙力も身に付く上に、「言葉の意味が分かれば内容が分かる」とお子様に認識してもらうことができます。

読解問題

読解問題はまず、「文章の内容を把握すること」から始まります。

はじめから長い文章だと、お子様のやる気を損なってしまうので、短い文章から始めましょう。

まず、文章を読ませ、その内容を口頭で説明してもらうようにしましょう。

そうすると子供がどこまで内容を理解できているかを把握することができます。

また、間違って理解している部分や不足している部分のもわかるので、お子様の躓いている部分が明確になります。

文章の把握ができれば、設問の内容理解です。

設問の多くは「~はどういうことか」「~はなぜか」ということが聞かれ、解答の制限として「抜き出し」「文字数制限」があることを事前に伝えておきます。

そして、なぜと聞かれたら理由を書き「~から」で締めるなどのルールを決めておきます。

こうすることで、設問によってどのように考えれば良いかが分かるため思考がスムーズになり、解答を導きやすくなります。

まとめ

ここまで、国語が苦手な子に見られる共通点や、国語力を伸ばす効果的な教え方について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

今回解説した通り、国語力は漢字・語彙の知識量と、読解力が合わさったものです。

そのため、ほかの科目とは違い、1つ覚えればたくさんの問題が解けるというわけではありません。

しかし、国語は最も身近な科目でもあるので、しっかりと意識を向けることができれば、日常生活の中で知識を増やすことができます。

はじめは嫌がるお子様も多いかと思いますが、日常の中から国語の楽しさを実感できるよう、根気強く長期的にお子様の学びを支えていきましょう。