新型コロナウイルスの影響で、試験日程や出題範囲にも影響が出ている大学入試。

2021年度からは、従来のセンター試験に代わり新テストが導入されるなど、変化の多い入試となります。

学校や塾の休校などにより学習の遅れが生じ、焦りを感じている受験生も多いことでしょう。

そこで今回は、新型コロナウイルスによる大学受験の影響を整理し、今できること、これからできることについて整理をしていきます。

▼目次

大学受験生が抱える不安

不安や受験勉強への悪影響

2020年4月に新高校3年生に向けて行われたインターネット調査によると、4月の時点で受験に不安を感じている生徒が93.5%、すでに受験勉強に悪影響が出ている生徒が78%というデータが出ています。

実際、2月の末から学校が休校となり、いわゆる3密を避けるために、集団授業を行う塾や予備校も同時に休校という流れが見られました。

大学入試は1年で完結するものではありません。

中学高校の6年間で考えるべき戦いです。

このデータからも、受験学年を迎えた受験生の多くが不安を感じていることはうかがえます。

受験方法の変更

同調査によると、新型コロナウイルスの影響で受験方法の見直しを検討していると回答した受験生28.5%、うち6割以上がAOや推薦入試での受験を検討、約半数(45.6%)が志望校のレベルを下げると回答しました。

推薦入試自体も、昨年までのAO入試、指定校推薦、公募推薦という名称が変更され、内容や選考方法が様変わりしています。

そんな中で、より安定を求め、受験方法の見直しや、受験校の再検討をする受験生が増えています。

オンライン学習の必要性

さらに同調査によると、約半数の44.5%の受験生が、オンライン学習をすでに始めているというデータも出ています。

オンラインでの学習は、慣れるまでに難しいところもありますが、時間や場所を問わず取り組むことができている点で、メリットも大きいです。

オンライン学習にどれだけスムーズに移行できるかが、受験成功のカギとも言えます。

2021年度大学受験の試験期間は?

総合型選抜入試

先述の通り、2021年度の入試から推薦入試の枠組みも変わりました。

旧AO入試は総合型選抜入試と名称が変わりましたが、出願期間や試験日程に注意が必要です。

例年ですと8月1日から始まっていましたが、本年は当初の9月1日の予定から2週間遅れ、9月15日からと決定しました。

2週間遅れた分準備をすることができるとも考えられますが、その後の学校推薦型入試や一般入試も見据えている受験生にとっては、スケジュールを総合的に考えていくことが求められます。

新テストが複数日程に

大学入学共通テスト、いわゆる新テストも、新型コロナウイルスの影響で複数日程の受験が可能と変更になりました。

具体的には1月16日、17日ないし、1月30日、31日を選択することができます。

推薦入試と同様、準備期間を2週間長くとることができるとも思えますが、私立大学や国公立大学の受験日も考慮し、戦略を練る必要があります。

出題範囲への配慮・問題の傾向

文部科学省からの通知

入試日程の変更のみならず、出題範囲や方式についても検討するよう文部科学省から各大学に対して通知が来ています。

具体的には数学Ⅲや社会、理科など、学習の遅れが想定されるものについては出題内容の縮小を、受験教科についてもより広く選択できるようにすることが求められています。

もっとも、具体的な内容や判断は各大学に任せられています。

各大学のホームページ情報を常に追っていく必要があります。

選択問題の増加

大学入試改革の柱は、思考力・判断力・表現力。

ゆえに、記述式問題の増加も検討されてきました。

もっとも、当初予定されていた共通テストでの数学国語の記述式問題の出題は見送られました。

そして、新型コロナウイルスの影響もあり、出題方式の変更、具体的には選択問題の増加も十分に考えられます。

多様な出題形式に対応できる基礎力・応用力をつけていく必要があります。

今からできることを着実に

苦手克服がカギ

学習の遅れにより注意が必要なことは、教科ごとに進捗差がかなり出てしまうことです。

入試は総合評価ですので、苦手を克服し、全体として必要な得点をとるという戦略が重要です。

そのためには、苦手強化、苦手箇所を見つけ、分析し、必要な対策を早期に打つことが大切です。

まとめ

情報収集をしつつも、苦手を早期に克服すること。

これが2021年度に入試攻略のカギです。

新型コロナウイルスの影響は、受験生皆に共通です。

与えられた環境下で、いかに勉強に集中できる環境が作れるか。

意識をして取り組む必要があります。