内申点・調査書など、中学校のなかで解決するものはもちろん学校裁量枠や共通枠、くくり募集など、静岡県の公立高校入試に関してはさまざまな用語が飛び交っています。

一見複雑に見えてしまう高校入試の仕組みですがいざ高校入試に挑戦することを考えるとさまざまな疑問点は解決しておいた方が安心できますよね。

今回は疑問を解決するために、よくいただく質問を中心に静岡県の公立高校入試に関するQ&Aをまとめました。

▼目次

学校裁量枠の選抜内容について教えてください

学校裁量枠とは、各高校が独自に定める選抜方法です。

学校裁量枠の対象者

対象者ですが、希望者を対象とした選抜を実施する高校と、志願者全員を対象とした選抜を実施する高校があります。

実施内容

実施内容ですが、学習の記録を重視した学校裁量枠の入試を実施する場合もあれば、調査書・学力検査・面接の3つの選抜資料はもちろん、それに加え文化的・体育的活動などの実技検査など、学校独自選抜資料を用い実施する場合も あります。

また、学校裁量枠での募集定員の割合や重視する項目などは学校によって細かに定められていますので、希望の学校や気になる学校についてはよく調べておきましょう。

学校裁量枠と共通枠は別で志願するのでしょうか?

いいえ、学校裁量枠と共通枠は同じ学校(1校1科)に志願します。

学校裁量枠で実技検査を実施する学校を受験する場合は、学校裁量枠を希望するかどうかを選択することができます。

学校裁量枠の選抜を希望する場合は、その旨を出願時に記載する必要があります。

学校裁量枠は誰でも志願できますか?

はい、学校裁量枠はだれでも志願できます。

基本的には実技検査をともなう学校裁量枠では、適性を重視して判定 をおこないます。

そのため競技経験などは問いません。

競技経験がないと志願する資格がないと思われがちですが、だれでも志願することが可能です。

また、全員を対象とした学校裁量枠の場合は、一般選抜に志願した時点で自動的に学校裁量枠の選抜対象となります。

学校裁量枠では合格は保証されるのでしょうか?

いいえ、学校裁量枠は合格を保証するものではありません。

学校裁量枠はだれでも志願することができるため、平等かつ公正に合否を判定する必要があります。

当日は体調などを万全に整えたうえで試験に臨んでください。

また、学校裁量枠で不合格だった場合は共通枠の試験の対象者となります。

一般選抜の選抜方法について教えてください。

静岡県の公立高校入試の一般選抜は、

まず1つ目として各高校によって独自に定められている学校裁量枠、そして2つ目として全県共通で調査書・学力検査・面接の3つの資料を用いておこなわれる共通枠というように

2種類の選抜方法を用いて実施します。

2日間に分けて実施

一般選抜の流れは、学力検査や面接を2日間に分けて実施します。

1日目に学力検査、2日目に面接などといった流れです。

学校裁量枠の選抜を実施する場合は、その2日間の中に高校によって定められている実技や作文などが入ってきます。

合格者決定の手順

選抜の具体的な合否判定の方法ですが、はじめに学校裁量枠で、学校によってあらかじめ決められた割合をもとに合格者を決定します。

次に共通枠での選抜で、第1段階から第3段階までの判定方法を順番に用い合格者を決定します。

第1段階から第3段階の判定は調査書・学力検査・面接の結果を参考にします。

共通枠の第1段階から第3段階まで

まず第1段階では、調査書の学習の記録の内申点を参照し、評定合計が上位から共通枠の定員までを対象者と決定します。

その対象者から、学力検査の5教科の合計点により共通枠定員の上位75%程度を合格 とします。

第2段階では第1段階の合格者を除いた志願者を対象に、調査書の学習の記録以外の記載事項や面接により総合的に判断し、共通枠定員の10%程度を合格 とします。

そして第3段階では第2段階までの合格者を除いた志願者を対象に、調査書・学力検査・面接の結果を総合的に判断し、共通枠定員の15%程度を合格とします。

共通枠は学校裁量枠の合格者を除いたすべての志願者を対象としています。

学科別で併願することは可能でしょうか?

もちろん可能です。

ただし、「第2志望まで」「第3志望まで」など、併願できる学科数などは高校によって異なります。

原則は共通枠において同一校同一課程内の学科に限ります。

また、高校によっては学校裁量枠においても併願が可能な場合があります。

くくり募集とは何でしょうか?

くくり募集とは、学科ごとに合格者数を決めずいくつかの学科を合計して合格者数を決定する方法です。

静岡県の公立高校入試では「田方農業、沼津工業、吉原工業、静岡農業、科学技術島田工業、島田商業、磐田農業、天竜」の9校でくくり募集をおこないます。

どの学科に属するかは入学時には決まっておらず、どの学科に属するかは入学後に決定します。

さいごに

他県の公立高校入試と比較すると、静岡県の公立高校入試は柔軟性に富むといっていいでしょう。

静岡県の公立高校入試は学校裁量枠で自分の得意分野で力を発揮しやすい面もありながら共通枠でしっかりと日頃の成果を発揮することもできます。

ぜひ自分に合った学校・または選抜方法が見つかることを願っています。