中学受験にはもちろん多くのメリットとデメリットがあります。
「有名大学に入りやすい」というのもそのメリットのうちの一つです。

では偏差値がそれほど高くない私立中学には通うメリットはないのでしょうか?
ここでは偏差値上位校ではない学校に対する中学受験について説明していきたいと思います。

▼ 目次

偏差値よりも学校生活を重視するメリット

施設や設備は公立と私立ではまったく違っている

公立と私立の両方の学校を見た人であればすぐに気づくことですが、公立と私立ではまったく施設や設備が違っています。
公立ももちろん綺麗に掃除したり整理したりしていますが、校舎の設備や空調システムなどは公立と私立では大きな差があります。
運動場にはナイター設備があったり、専用のトレーニング器具が用意されていることもあります。
こういった新しい綺麗な設備を使って学校生活をおくっていくというメリットが私立にはあるのです。

校風や教育方針に合っている学校を選ぶことができる

私立の学校にはいわゆる「ミッション系」のようなキリスト教の学校や仏教系統の学校もあります。
こういった学校ではそれぞれの宗教の考え方を教育に使用しており、自分に合った方針の学校を選ぶことができるのです。

そして同じような教育方針を選んで入学している生徒たちですので、考え方の違いによる対立なども起こりにくい環境にあります。
公立では残念ながら教育方針によって学校を自由に選ぶということはなかなかできません。

落ち着いた生徒が多いというのも特徴

偏差値が上位ではなくても私立の中学には受験勉強を乗り越えてきた生徒たちが多く入学しています。
そうした生徒たちは一定の学力があるということに加えて、ある程度の落ち着きがある生徒が多くいます。
私立の中学では近い偏差値の子どもたちが集まるために、学力差も公立よりははるかに小さく、周囲の生徒たちとなじみやすいというメリットもあります。

高校受験をしなくても良いというメリット

中学受験をしなくて公立の中学に進んだ場合、ほぼ確実に高校受験をして高校に進学をすることになります。
しかし中高一貫教育校に中学受験して入学した場合はほぼストレートに高校に進学することができます。
もちろんあまりにも学力が低すぎる、素行が悪い、といった場合は無理な場合もありますが普通にしていれば推薦入試などを経てそのまま高校に進めるのです。
高校受験の勉強をしなくても良いおかげで6年間を計画的に考えることができますし、趣味やクラブなどに打ち込むこともできます。

進学面から考えるメリット

偏差値上位校でなくても進学実績はある

偏差値上位校が大学実績があるのは知られていますが、実は入学時の偏差値がそれほど高くない私立の学校でも進路実績がしっかりしているという学校は色々とあります。
特に中堅校と呼ばれる学校では生徒を多く集めるために進学実績をしっかり出そうという取り組みを行っています。
それだけ教員の面倒見も良いですし、進路指導も熱心です。
授業時間も公立の学校よりははるかに長いですし、補習や講習も用意されています。

そのおかげで入学時よりも大きく偏差値を上げて人気の学校に進学していく生徒が多くいるのです。
入学時の偏差値が中堅校以下と呼ばれる学校でも、卒業時の偏差値が中堅以下とは限らないのです。
入るときの偏差値がそれほど高くないのに、偏差値上位校に進路実績が多くある学校は「お得校」として人気となりつつもあります。

教員の意識が何よりも違う

公立の学校の先生は偏差値上位校に生徒を進学させたからといって給料が上がることはありません。
それは公立の学校の先生が公務員だからです。
しかし私立の学校の先生、とくに中堅校などで生徒を有名校に進学させたり、模試などの偏差値を上げていくとそれは教員の評価につながっていきます。

現実的な話にはなりますが、生徒の成績を向上させることが教員の給料を向上させることにもつながるのです。
そういった意識から学校もネイティブスピーカーを雇用したりと教育に熱心な姿勢を打ち出しています。
生徒が多く集まれば学校としての利益が多く出るという基本原則があるからです。
学校や教員の意識が公立の学校とは根本から違うのです。

理想の進学先を考えて学校選びができる

私立の学校はそれ自体にも種類が豊富なことと、進学先も色々とあることが特徴です。
男子校、女子校、キリスト教系、仏教系など様々ですし、中高一貫教育校、大学の付属の学校といった種類もあります。

特に大学の付属の学校であれば、ある程度の点数をキープしていれば大学まで進学できるために、高校受験や大学受験で苦しむことがありません。
中堅校でも大学の付属の学校はありますので、そういったところから選ぶというのも良いでしょう。

まとめ

偏差値上位校を目指すというのが中学受験のベースにあるのは当然ですが、決して偏差値上位校でなければ中学受験のメリットがないというわけではないのです。
自分の教育観に合った学校、進路実績から選ぶ学校など様々ですが、中学受験には多くのメリットがあるのは間違いないと言えるでしょう。