東京ではやっぱり中学受験するべきなの?
中学受験のメリットやデメリットが取りざたされていますが、実は日本中で中学受験が行われているわけではありません。
地方に行けば行くほど私立の学校は減少していき、中学受験はそれほど認知されていないのです。
しかし東京を中心とする首都圏は違います。
ではやはり東京に住んでいたら中学受験をするのが当たり前なのでしょうか?
ここではその部分について細かく説明していきます。
▼ 目次
東京での中学受験の状況
首都圏の中学校事情
地方にある中学校はほとんどが公立中学ですが、東京にある中学校を見ていくと「公立が614校」「国立が6校」「私立が188校」という数となっています。
他の比較的私立の中学が多い都道府県と比べると、神奈川県で「公立が410校」「国立が2校」「私立が63校」大阪府で「公立が461校」「国立が3校」「私立が64校」となっています。
これを見ると東京の私立中学の数は圧倒的に多いことがわかります。
私立中学が多いことの影響
中学受験がそれほど一般的ではない地域では公立中学に優秀な生徒とそれほど成績が良くない生徒が混じった形で在籍しています。
そして高校受験の時に差が明確になっていくことになります。
しかし私立中学が多く、生徒の4分の1以上が中学受験をするという東京では優秀な生徒は多くが私立中学に進学していることがわかります。
そういった理由で東京の公立中学の学習レベルがそれほど高くないのです。
もし東京に住んでいてある程度勉強ができる生徒であれば公立中学に行くと物足りないレベルかもしれません。
東京だけではなく周囲も利用できる受験
東京に住んでいる生徒の中学受験の率が高いのは東京に私立中学が多いことだけが理由ではありません。
埼玉や神奈川、千葉など比較的通える範囲の都道府県にも私立中学が多いという理由もあるのです。
そのため受験シーズンになれば多くの生徒が他府県も合わせて複数の中学を受験することができます。
これは本命の学校の入試の練習という意味合い、滑り止めという意味合いがあります。
首都圏全体というくくりが考えることができるというのも東京で中学受験が盛んな理由となっているのです。
私立中学へ行くことのメリット
進路実績から見る
ではこの東京を中心とする首都圏で中学受験をするのにはどういったメリットがあるのでしょうか?
まず大きいのは進路実績です。
東大のような国公立大学、慶応早稲田やMARCHと呼ばれるトップ私立大学、各大学の医学部のような偏差値上位校の出身を見ていくと私立の中高一貫教育校が圧倒的に優勢となっています。
これは公立のトップレベル校と比べても私立の方が実績を出していることからもわかるように進路を考えた場合、私立学校の方が信頼できるのです。
実績を出せる理由
まずそもそもの経営の成り立ちが私立と公立では違っています。
公立の学校の先生は公務員です。
生徒数が増えようが減ろうが、進学実績を出そうが出せまいが、それによって給料が大きく増えたり減ったりすることはありません。
もちろん、倒産して職を失うこともありません。
しかし私立の学校は違います。
進路実績を出して生徒の入学者数を増やすことで学校の経営が成り立っていきます。
その生徒数や進学実績は先生の給料にも関係してきます。
そのためそもそもの先生たちのモチベーションが違っているのです。
授業時間やカリキュラムに大きな差がある
私立の学校と公立の学校でもっとも大きな差は「授業時間」です。
私立の進学校では「0時間目」「8時間目」のような時間割や補習や講習が数多く組まれています。
もちろん土曜日も普通に授業があります。
これらを考えると週に10時間以上の授業時間が変わってくるのです。
中学3年間、高校3年間を合わせればどれだけの時間になるかと考えれば私立の学校が進路実績を出せることにも納得がいきます。
そしてカリキュラムもまったく違ったものになっています。
公立の中学では中学のカリキュラム3年分を3年間かけて進めていきます。
そして高校に入ると高校のカリキュラムを学習することになります。
しかし私立の中高一貫校ではたいていはカリキュラムが前倒しで進められていきます。
中学2年間で中学のカリキュラムを、中学3年生からは高校のカリキュラムを行います。
高校2年生ごろには高校のカリキュラムをすべて終了し、高校3年生は大学入試に向けての勉強を行うのです。
この考え方は高校入試で一度リセットされる公立では不可能なカリキュラムと言えます。
まとめ
日本には東京や大阪、名古屋などの大都市に私立の中学は集中しています。
その中でも東京を中心とする首都圏は特に学校が集中しており、中学受験をするには素晴らしい環境となっています。
もちろん東京で中学受験をするのにはゆくゆくの進路を考えてもかなり大きなメリットがあるのは間違いありません。
どういった社会人を目指すのか、そのためにはどういった大学を目指していくのかを考えて中学を選んでいくのが良いでしょう。