最近では国語の授業だけで行われるのではなく、グループディスカッションは入試にも取り入れられています。
企業の入社試験では以前から取り入れられているものです。
しかしグループディスカッションのルールや進め方を知らない学生に入試でいきなりやってみろ、と言ってもまずうまく行うことができません。

そこでここではグループディスカッションの正しい進め方、押さえておかなければいけないポイントについて紹介していきます。

▼目次

グループディスカッションとはどういったものか

基本的な仕組みについて

グループディスカッションとはだいたい5~8人前後ほどでグループになって、何か特定のテーマに沿って意見を出し、新しいアイデアや問題点などについて意見交換をするものです。
前提として「正解がない」ものについて論じることが多く、それだけに自由な意見を出すことができます。

また、間違えてはいけないのが「ディベートとは違う」ということです。
一緒のグループの人では「敵」ではありません。
そのためグループの人を言い負かしたり、自分だけが目立ったりしてはいけないのです。

この試験では暗記による筆記試験では測ることができない「協調性」「コミュニケーション能力」「発想力」「自己表現力」などをみることができるのです。

制限時間とその流れについて

グループディスカッションは短いもので20分ほど。
普通は30~40分ほどのものが多くなっています。

そのために、計画的に進めていかなくては意見をまとめることができず、ダラダラとした終わり方になってしまいます。
時間を計りながら計画的に議論を進めていくのがポイントとなります。

・自己紹介と役割の取り決め
まず簡単に自己紹介を行い、それぞれの役割を決めていきます。

・時間配分の設定
何にどれくらい時間を取るのかを簡単に決めていきます。

・意見やアイデアを出し合う
簡潔に意見を述べていきます。

・意見やアイデアの整理
集まった意見を整理して、簡単に問題点の指摘などを行います。

・まとめ
発表できるように意見を整理して発表の準備を行います。

・発表
グループとしての意見を発表役が発表します。

グループディスカッションの役割とは

グループディスカッションはそれぞれが好き勝手に発言していてはスムーズな進行もできませんし意見もまとまりません。
そこで早い段階で役割を決めることが推奨されています。

・司会進行役
全体的な流れを見てグループ内で意見を出させていく。
特定の人ばかりが発言していないか、まったく発言していない人がいないかなどを見なくてはいけません。

・タイムキーパー
グループディスカッションは制限時間があるために計画的に進めていかなくてはいけません。
タイムキーパーは正確に時間を把握し、スムーズに次の段階へと進めていかなくてはいけません。

・書記
発表された意見を手早くまとめて簡潔にメモをしていきます。
ダラダラと書いていては間に合わず、雑すぎるとメモの役割を果たしません。

・盛り上げ役、調整役
意見が停滞してしまったとき、意見がぶつかってしまった時などに正常な状態に戻していく役目です。
ムードメーカーとして重要な役割を果たします。

・発表役
グループの意見を最後に発表する役目です。
的確に簡潔に意見を述べていきます。

注意ポイントと求められる力

注意しなければいけないポイント

グループディスカッションを行っていてもっとも多い失敗が「人の意見を聞かずに自分の意見ばかり言う」というものです。
自分ばかりが話をしたり、人の意見を聞いていなかったり、よそ見をしていたりする人がいます。
こういった態度は「傲慢」「自己中心的」と見られてしまいます。

ましてディベートのように他の人の意見を否定するなど、もってのほかです。
グループディスカッションでは他の人の意見を否定することは必要ありません。

そして逆に「声が小さい」人も問題です。
書記や試験官に聞こえないくらいの声でボソボソと発言をしてもまったくポイントになりません。
うるさいのも問題ですが、やはり大きな声ではっきりと意見をしましょう。

求められる力とは

グループディスカッションでは正解がないテーマについて議論しているので、発表がすべてではありません。
むしろ議論中に様々なポイントが試験官によって採点されているのです。

例えば「コミュニケーション能力」です。
ほとんどの仕事において人と話すということは基本になります。
他の人とスムーズに話ができるということが評価されるのです。

そして「協調性」です。
自分の意見を言いたいのはわかりますが、どれだけ他の人を尊重できるかが重要になります。
同時にあまり発言していない人にうまく発言させることができるか、ということも評価されます。

また、「知識」「発想力」も重要です。
与えられたテーマについてどれだけ知識があるか、どれだけアイデアを出して意見できるかはもちろん見られます。

まとめ

グループディスカッションは就職でも入試でも取り入れるところが増えてきており、重要な試験となっています。
慣れないうちはなかなかうまくできないものでもありますので、前もって流れやポイントを押さえておき、対応できるように準備しておきましょう。