中学受験を行うに当たって塾を選ぶのは重要なことですが、もう一つ「テキスト」というものもあります。

その中学受験用のテキストとして他の塾でも使用されているのが「四谷大塚」のテキストです。四谷大塚はテキストを作っているだけでなく、中学受験の進学塾としても有名です。

ここでは、そんな四谷大塚の塾についてと、そこで算数の授業についていけない場合の対策法を紹介していきたいと思います。

▼目次

四谷大塚とはどのような塾なのか?テキストだけの塾ではないのか?

四谷大塚は小学生を対象とした中学受験の指導塾です。かなり以前からテキスト「予習シリーズ」はその使いやすさから多くの塾で使用されてきました。

2006年より「東進ハイスクール」の運営母体である「ナガセ」の傘下に入って営業をしています。

講師は全員が社員であり、全体的にベテラン社員が多く、授業も落ち着いた感じになっています。それだけに覇気や勢いには欠けるところがあるとも言えます。

ただ授業の質自体は高く、質問もしやすい雰囲気はあります。

また、1クラスが30名程度の集団形式になっていますので全員の生徒を細かく把握できているかとなると少し疑問が残ります。自分から質問できるかどうかがカギとなるでしょう。

実績面でいうと関東地区で言われる「御三家」、「早慶付属校」に対する実績は他の大手塾と比べるとかなり落ちます。

しかしその次の層である「やや難関校」「偏差値50台」くらいの中学にはかなりの実績をあげていますので「中堅校」を志望校にしている生徒には最適なものの、最上位校を志望校に設定している生徒には少し物足りないかもしれません。

なぜ四谷大塚で算数についていけなくなるのか?ついていけない場合はどうすればよいか

やはり1つのクラスに30名ほどがいるということがネックになっています。

クラス内の人数が多く、クラス数は少ないために成績によってクラスが分けられていますが、クラスの移動がなかなか行われません。そのため勉強意欲が向上しないという生徒も多く居ます。

また、「予習シリーズ」ですが、これはもともと予習をしやすくするためのテキストで理科や社会は図、表などを使って非常に分かりやすく説明されています。

そのために使いやすいという利点があるのですが、これらの教科と比べて「国語」「算数」がやたらと難しい上に解説が少ないという実状があります。

特にどちらの科目も「文章題」はかなり難問が多く、文章を理解するのが苦手な生徒はまず理解できません。そのため予習どころではないのです。

そして予習が思うように進まないまま授業を受けることになります。しかしクラス内に人数が多いために理解できていなくても講師がそれを把握するのが困難です。宿題チェックも一人一人の分をそこまで時間をかけて見ることもできません。そうして授業についていけなくなっている生徒が出てくるのです。

特に受験算数は公立の小学校では学習しないような単元を多く学びます。その種類も多く、図形や時間・距離・速さ、面積や体積など様々な単元を行わなければなりません。そして生徒ごとに苦手とする単元が違うのです。

それは塾側もわかっているために4科目の中でも算数だけ授業時間が長かったり、授業のコマを多くしている塾も多くあります。それでも足りていないのです。

特に四谷大塚の予習シリーズは、例題は多く出ているのですが問題数自体は多いとは言えないテキストです。解き方さえわかれば後は問題数をこなすと定着させることができます。算数で授業内容に常に遅れがちになっている生徒であれば、なおさらすでに習った単元はしっかりと押さえていく必要があります。

あまり問題集を多く持つと大変にはなりますが、算数の平易な問題が多く載っている問題集を別に一冊持たせるのは効果的です。授業自体はそれほど難問に偏ったことなく、平均的なレベルで行われるために習った内容をすぐに反復することで安定はしやすいと言えます。

6年生になると「4科のまとめ」というテキストを使用することになりますが、難関校を目指しているのでなければおそらく国語と算数は難問が多く、苦戦するでしょう。

算数はニュートン算なども難易度が高くなって出題されています。自分の志望校のレベルを考えて必要か不必要かを考えましょう。

それでも算数の授業についていけない場合は個別に行動して解決しましょう。

重ねて言いますが「四谷大塚の授業レベルはそれほど高くはありません」。そのためここの授業についていけていない場合は早急に対応する必要があります。

授業中にはなかなか質問できないかもしれませんが、授業後や自習室などで講師に質問することで解決を図るか、算数だけ個別指導の塾や家庭教師などを利用して指導してもらうというのも一つの方法です。

その単元を指導してもらって理解できたら平易な基本問題をしっかりと解きこむことで定着していきます。これを繰り返すことで授業についていけないことは解消されていくでしょう。