中学受験をする際にもっとも重要になるのが「塾選び」です。

大手の進学塾がいくつもありますが、それぞれに特色が違うために生徒に合っていない塾に入ると思うように成績が伸びなかったり、塾の授業についていけなかったりします。

そこで、ここでは「日能研」の簡単な特徴と、日能研の算数についていけない場合の対策法について紹介していきたいと思います。

▼目次

日能研とはどのような塾か?その授業スタイルはどういったものか?

日能研は大手の進学塾でもかなり老舗と言われる塾です。中学受験にも古くから取り組んできました。
途中で分裂騒動などもありましたが、現在もしっかりと実績を出しています。

その授業スタイルは「生徒との対話、やり取り」を重視するもので、「講義型」の授業とはかなり違ったものです。指導した内容について生徒の反応を見ながら授業を進めていくやり方は日能研の基本的なスタイルとされています。

また、大手の進学塾には珍しく「予習を勧めていない」ということがあります。これは授業で指導する内容をス
トレートに生徒に伝えるという意図があってのことで、生徒に余計な先入観をつけないために行われていることです。

その分、「復習」を奨励しています。学習した内容をしっかりと落とし込むことで自分のものとするという基本姿勢です。これは中学受験、特に算数には必要なことなので何も問題はありません。

むしろ問題は「クラスの人数が多い」ということにあります。日能研も他の塾と同じくクラス分けされていてテストや模試などによってクラスの入れ替えが行われるのですが、一クラスに30名ほどとかなり人数が多いのです。そのために講師が全員を把握しづらくなっているのです。

また、クラス内でも席順が成績順に並んでいるために成績が悪く、理解がしっかりとできていない生徒は後ろの方の席となり、ますます講師から目が届きにくくなっています。これが「授業についていけない」生徒を生み出してしまっているのです。

さらに講師たちが全体的に「年配のベテラン」が多いということも影響しています。これは普通に考えれば信頼して任せることができるので喜ばしいことなのですが、良い意味でも悪い意味でも「落ち着いてしまっている」ために熱意や勢いに欠けることがあります。

しかし授業数は多く、週5、6授業があることも珍しくなく、日曜には模試などが入ってくるために生徒には落ち着きも余裕もありません。このアンバランスさが問題なのです。

日能研の算数についていくには「時間の確保」と「復習」が最優先!

日能研の特徴として「授業が多い、長い」ということがあります。6年生ですべての科目を受講していると週5は確定で、模試や補習が入ると週6や7になることもあります。こうなると自分で学習する時間が取れないために苦手分野や理解できなかったことに取り組む時間がなくなるという悪循環に陥ります。

こういった状況は生徒本人が解決できるものではないために講師や保護者が気付いてあげなくてはいけません。「算数」という科目は中学受験にはほぼ間違いなく必要になる科目です。

受験方法によっては理科や社会は必要ではないこともあります。生徒が算数であまりにも苦戦しているようであれば科目を整理して時間を確保することも視野に入れなければいけないでしょう。

それと同時に宿題や模試のやり直しなどのチェックは保護者のフォロー、塾の自習教室での質問、家庭教師の利用を加えた方が良いです。日能研はクラスの人数が30人ほどと多いために全員の宿題のチェックを細かく行うことは不可能です。

そのため、なんとなくやって提出していればOKが出てしまうのです。しかし毎日保護者がすべての宿題をチェックし、生徒が理解できているかどうかを判断するのはかなり困難です。

そこで自習時間での質問や家庭教師の利用が有効になるのです。

日能研はテキストや模試の量は非常に多くあります。しかしテキストをすべて消化もできませんし、模試は多く行われるものの、その解説ややり直しはほとんど行われません。そのために理解できていない部分も放置されてしまうのです。

どこかに時間を作ってテキストの苦手単元の基礎問題をやりこんだり、模試のやり直しなどを行うことが重要なのです。

時間や進度に余裕があるのに算数の授業についていけない場合は危険信号

上記のような対策で解決できずに算数の授業についていけない場合はかなり危険と言えます。

日能研は大手の進学塾の中でも開成などの最難関の実績は少なめで、そこをメインのターゲットとはしていません。どちらかと言えば難問は少なめです。

その分、中堅校に非常に強く、ここでは多くの実績を出しています。つまり授業では平均的な問題を中心に扱っているということになります。

そのため日能研の算数についていけていないということは単純に実力不足とも考えられるのです。

まずは時間を確保して基礎問題の徹底、模試のやり直しなどを行うべきですが、それでもまったくついていけていないようであれば志望校の変更なども考えなければならないでしょう。