テストや受験になると実力を発揮できないお子さん向け対策法
塾の講師をしていると「もっと点数が取れるはずの生徒なのになぜ取れないのだろう」という生徒に巡り合うことがあります。
普段の授業では解けている。小テストでも正解している。
そんな生徒が大きいテストや模試になると思ったほど点数が取れないということがあるのです。
これは最終的には受験にも響いてきます。
では、こういった「本番に弱い」タイプの生徒にはどう対処すれば良いでしょうか?
そのあたりを紹介していきたいと思います。
▼ 目次
1、本番に弱い生徒とは
模試や受験においては「本番に強い生徒」「本番に弱い生徒」ということがかなり出てきます。
いつもはそれほどできる感じではないのに模試ではしっかりと点数を出す、少し厳しいかと思った受験でも合格してくるというのが本番に強い生徒です。
その逆が本番に弱い生徒ということになります。
しかしこの二つのパターンは進路指導、受験指導をする側からするとどちらも「悩ましい」生徒となります。
いくら本番に強いといっても普段の授業でそれほど解けている様子がなければとても強気の受験は進められません。
受験本番のときに点数を取ってくるかどうかは当てにできないからです。
やはり慎重に受験校を選ぶということになります。
また、普段は解けている感じなのに模試などで点数が出せないタイプも当然受験校を選ぶ際には慎重になります。
合格させたい側からすると、その生徒の「悪い時」を基準に考えなければいけないからです。
「良い時」を基準にするようなギャンブルはまずできません。
同様に点数の上下、波が激しい生徒も当てにできずに「悪い時」を基準にすることになります。
この「本番に弱い」「テストや模試で実力が出せない」生徒は「能力」「性格」のどちらもが絡んでくるために修正していくのは大変な作業となります。
本番で実力を発揮できないというのはメンタル面の要素が強いように感じますが、実は能力的なものも関係しています。
例えば、普段の小テストで点数が取れるというのは「出題範囲が狭く決められているテスト」ではしっかりと対策を立てて取り組めるということでもあります。
しかし模試などになると出題範囲はかなり広くなります。
こうなると対応できなくなるのです。
これは中学や高校で「定期考査では点数が取れるが実力テストでは点数が下がる」という生徒に多い傾向です。
この場合は出題範囲を少しずつ広げていくような訓練を普段からしなければいけないでしょう。
2、テストや受験で実力を発揮するにはどうすればよいか
しかし本番で実力を発揮できない生徒の大部分は「勝負弱さ」「メンタルの弱さ」が中心になってきます。
点数を取らなければいけないと焦ってしまう。
前のテストで点数が取れなかったから今回もダメかもしれない、と考えてしまってパニックになるという悪循環を繰り返してしまうのです。
これは性格がかなり関係してくるためにすぐに治るものではありません。
ではどうすれば良いかですが、まずは「テストに慣れされる」ということがあります。
大きなテストの「緊張感」「出題傾向」「時間配分」などはそういったテストを受けていくことで慣れていきます。
それまで大きなテストを受けたことがない生徒に「緊張するな」という方が無理な話です。
また受験で重要となる「時間配分」は何度もテストを受けていかなければ慣れていくものではありません。
校内模試、校外模試などを受けていくことで慣れさせていきましょう。
そしてこういった生徒に指導する際に講師や保護者が注意するべきこととして「あいまいな指示は出さない」ということがあります。
メンタルが弱い生徒に「緊張するな」「落ち着け」と言ってもそれは無理な話です。
あいまいな指示は逆効果にしかならないのです。
生徒に指示を出す場合には「具体的にわかりやすく」が絶対です。
例えばテストで焦ってしまう生徒には「落ち着いて最初の5分は問題を全部読みなさい」「無理やり時間内に全部答えを書けなくても良い」「できる問題をしっかり合わせにいく」ような指示を出していきましょう。
テストで点数が取れない生徒は「時間配分が下手」「ケアレスミスが多い」ことがほとんどです。
ケアレスミスが多い生徒の場合などは、なおさら落ち着いて問題を読ませましょう。
各科目でミスがなくなるだけでも合計ではかなり点数が伸びてきます。
3、まとめ
普段はできているのにテストなどで実力を発揮できない生徒というのは非常に「惜しい」存在でもあります。
実力を出すことができれば点数の上昇が期待できるからです。
本人がサボることなく勉強に取り組んでいるのに点数が悪かった場合、それを責め立てるというのはもっともしてはいけないことです。
本人はどうすればよいのかわからずただただパニックになるだけでしょう。
悪かったことを指摘するのではなく、どうすれば実力を発揮できるかを指導することが重要なのです。
逆に言えばそれが解消されていけば自然と点数を取ってくるようになりますし、点数の大きな波も収まってくるでしょう。