2020年の大学入試改革を前に、学校や学習塾などを中心にあたらな試みが始まっています。

従来の詰め込み型・暗記型学習ではなく、欧米等で主流だったアクティブラーニングと言われるような目標設定・検証調査・プレゼンテーションを自律的におこなう学習などが徐々に取り入れられてきました。

その中で、日々の家庭学習や受験勉強の準備を行う際に、話題に上がるのがタブレットによる学習についてです。

総合学習ツールとして塾や学校でも導入され始めたタブレット

従来のタブレット学習は、スマートフォンのアプリケーションの一つとして、学習アプリの域を出ないものでした。

そのため、英単語学習や漢字学習など、受験学習や総合的な学力向上を目的というよりは、便利な単語帳のような単体のツールが中心でした。

しかし近年、タブレットを教育指導や教材の中心にして、塾講師やチューターはタブレット学習での進捗やサポートを行うというようなスタイルの塾が登場し始め、一定の結果を出しています。

そのため、最近では、学習塾だけでなく一部の中学、高校で導入がされ始めました。

例えば、千葉の明徳高等学校では、2017年度から生徒ひとりひとりにiPadを導入し、総合型の学習アプリケーションソフトを授業に取り入れる双方向の授業スタイルをおこなっています。

タブレットのメリットは、動画や音声によるインタラクティブ性とゲーム性、携帯性

タブレットのメリットの一つは、動画や音声などを組み合わせた学習方法が可能というところでしょう。

理科や社会のような科目では、教科書の文章や白黒の写真だけでは、ものの様子や動きがイメージしづらく、頭に残りずらいため、写真などが中心の副教材を使ったりすることが多くありました。

タブレットでは、天体の動きや、物質の変化などを動画などを組み合わせて何度も繰り返し確認することが簡単にできます。

数学などにおいては、関数のグラフや図形の動きを変化させることで問題の意図や公式の本質の理解に役立ちますし、英語においてはヒヤリングやスピーキングといった要素が重要になるため、
音声との組み合わせ効果が高いタブレットの利点を大きく生かすことができるでしょう。

最近のタブレット教材では、学習の進捗確認や弱点の復習強化、バッチや点数、メダルなどを集めるといったゲーム性を高めることで飽きずに学習効果を高めるような工夫がされているのも大きな利点です。

また、タブレット1つで、様々な科目の学習ができるため、旅行等にも手軽に持っていけるのもメリットの一つです。

長時間の学習に向いていないのがタブレットのデメリット

メリットを見ると非常に画期的なタブレット学習ですが、デメリットについても見ていきましょう。

一つめのデメリットは、タブレットが長時間の学習に向いていない点でしょう。

難関大学等の受験となると、1日に6,7時間、場合によっては10時間近く勉強をすることになります。

タブレットは、液晶画面でかつ画面自体が発光するため、長時間の学習をすると、目や肩、腰などに非常に負担がかかります。

視力の低下はもちろんですが、スマートフォンを使うことが多い小学生や中学生の中には、大人と同じように接骨院やマッサージに通うことになっている生徒も多いと言われていますので、
タブレットのみですべての学習を行うのは難しいといえるでしょう。

2つ目のデメリットは、学習内容によって、手書きよりも学習の定着効果が弱くなってしまうということです。

たとえば、英単語でいえば、音声付の単語ソフトを使うと、発音や読みなどはタブレットの方が定着率がいいと言われますが、スペルなどの暗記においては、手書きでの学習の方が効果が高いという研究もあります。

受験における最大のデメリットは、現時点では受験のほとんどが紙で行われることです。

実際に受験を勝ち抜くには、学力だけではなく、テスト自体への慣れも必要です。

タブレットに慣れてしまうと、鉛筆や消しゴムを使うのが遅くなってしまう、答案用紙や問題用紙をうまく使えずペース配分を間違ってしまうということもあるでしょう。

タブレットの効果はまだまだ未知数。その子なりの楽しく続けられる勉強方法を見つけよう

従来の紙中心の教材では実現できなかったようなことができるタブレットですが、最も大事なのは、その子自身が
もちろん、タブレット教材が登場したことで、その子にあった勉強方法の選択肢が広がったことは間違いありません。

その一方で未知数な部分が多いのも事実。

そのため、一番いけないのは、タブレット教材を渡してそのままにしてしまうことと言えます。

学習の達成度をしっかりと確認しながら、従来の教材とタブレット教材をうまく組み合わせていくことが重要です。

タブレット教材ってどんなものがある?人気の10社を比較・紹介では、主なタブレット教材やサービスを紹介していますので、
参考にしてみてください。

可能な限り新しいものを取り入れながらも従来の学習方法を見直して、最良の勉強方法を見つけていきましょう!