中学生に対して「勉強しなさい」という意見はよく聞きます。しかしそれを言っている大人が「何をしないといけないのか」「なぜしないといけないのか」について説明ができない場合があります。

そこでここでは「中学生が何を勉強するべきなのか」「それは何のためか」について述べていきたいと思います。

▼目次

1. 何をするべきなのか

よく中学生が数学の二次方程式や理科の化学反応式を見て、「こんなの大人になってから使わない。だからやる必要はない」と言うことがあります。確かに塾の講師や学校の教師でない限り、大人になって日常生活で使うものではないかもしれません。

しかしだからやらなくても良いというものではありません。これから学習の中心となっていくのは「思考力」です。2020年の教育改革でもこれが中心となっています。思考するためには、その元となる知識や情報がなければいけません。「知らない」と「考える」ことはできないのです。中学校で学習するのは色々な科目の基礎、基本となる内容です。ここでしっかりと基礎を作ることで、その先どのような道に進むにしても土台となってくれるのです。そしてその知識を持って思考できるようになるのです。

そう考えると中学生で学習する科目は様々な分野の基礎部分だと考えられます。英語や国語はもちろん、体育や家庭科なども将来の土台となるものなのです。

また、最近の小中学生に関して問題視されているものとして「関心を持たない」ということがあります。自分が知らないことやわからないことに対して関心を持っていないために知ろうとしないのです。中学生の間は様々なことを知るチャンスがある期間です。知らないことに対して、人に聞く、本を読む、ネットで調べる、実際に自分が体験するということで「知っていく」ことで、それはかけがいのない経験と知識になっていくでしょう。

そしてこの時期は自分の将来について考えだす時期でもあります。自分が学びたいこと、就きたい仕事などについてぼんやり考えていく時期です。この時期に自分がやりたいこと、得意なことを見つけることで将来につなげていくことができます。難しく考える必要はありません。「何をしているときに楽しく取り組めるか」「何をしているときに上手くできているか」ということを手掛かりにしていればスムーズに発見できるでしょう。

それらが自分で判断できないときは保護者や友達、先生などに相談してみるのも良いでしょう。自分では気付かなかったことを第三者の目で教えてもらえるかもしれません。

まだそういった将来のことなど考えられないという学生も多くいるでしょう。もちろん中学生のときに将来を決定する必要はありません。大学四年生のときに自分が進む仕事の業種を決める場合もよくあるのです。ただ、決まらないからやらなくても良いということではないのです。むしろ逆で、「この先どの道へ進むかわからないから、どの道へも進めるような基礎固め」が必要なのです。まだやりたいことがはっきりしていない学生は将来やりたいことが決まったときにスムーズに一歩を進みだせるように学習しておきましょう。
 

2. 変化が激しい社会だから

近年、仕事や職業については大きな変化が起こり続けています。昔人気だった仕事が今も人気があるとは限りません。たとえば、大学生の就職先としてずっとトップにいた「大手銀行」がついにトップの座から降りました。これは銀行で現在人の手で行われている業務を機械化していくことで大幅な人員整理が行われていることが影響していると言われています。中には支店を閉鎖することで経営のスリム化を図っている銀行もあります。あれだけ人気だった業種でも不変のものではないのです。

また、逆に10年前や20年前にはなかった仕事をしている人もいます。例えば20年前にはユーチューバーと呼ばれる人たちはいませんでした。しかしこれは小学生に将来やりたい仕事アンケートをとると上位にくるまでになっているのです。多くの人がこのような状況を予想していなかったでしょう。これはYou tubeという動画サイトに動画を投稿し、多くの人からアクセスされることで広告収入や案件収入を得るというものですが、初めは「自分が得意なこと」「自分がやりたいこと」を動画にしていることから始まりました。自分がやってみて人に見てもらいたいということを突き詰めていって、それを職業としたのです。

ただ、この仕事が10年後、20年後も人気の職業かどうかはわかりません。もしかしたらもう職業としては成立していないかもしれません。このように今ある仕事がずっとあるかはわかりませんし、今は無い仕事が成り立っているかもしれないのです。

そして中学校に入学したばかりの学生にとって、10年後とはストレートに進んでいれば大学を卒業して社会人になる未来です。そのときに何の仕事が存在していて人気なのかは誰にもわからないのです。

3. まとめ

中学生が勉強するには「何を」「なぜ」が必要ということなのです。これをはっきりさせることで中学生が本当にするべき学習を進めていくことができると言えるでしょう。