プライドの高い生徒さん向け 勉強方法
生徒に勉強をさせていくには様々な方法がありますが、生徒の性格や資質によって合う、合わない方法があることを理解しておかなければいけません。
たとえばとにかく内向的で自分に自信が持てない生徒と、プライドが高く強気な姿勢を崩さない生徒に同じ指導をしても同じ効果が出るわけがないのです。ここではプライドの高い生徒をさらにやる気にさせていく方法のポイントを説明していきたいと思います。
目次
1、最適な目標設定を行う
基本的にプライドの高い生徒は「勉強をしない」ことはあまりありません。むしろ的確に対応してあげれば進んで勉強をしてくれるタイプなのです。
しかし、その方法を間違えてしまうと一気に教師や保護者に対する不信感を募らせたり、反発したりするようになります。そういった意味では対応が難しいとも言えます。
そこでまず一つ目のポイントですが、「最適な目標設定」というものです。プライドの高い生徒に対する有効的な動機づけは、「彼らにとって中程度に難しく、かつそれに対する努力が彼らの能力を伸ばすと判断されるような挑戦的課題である」とされています。
これは、難しすぎると自分に不可能であることがわかってしまうので手を出したくない。
しかし簡単すぎると興味が持てない、というもので、自分がそれを行うことで自分のためになると感じられなければ手を出さないという意味です。
例えば学校の定期考査で五教科で400点ほど取っている生徒に「420点を目指してみないか。420点ほど取れていれば志望校をもう一つ上げることができるんだけど」と言ってみるのです。
点数を上げるには努力が必要で、しかもそれを達成することで志望校を上げることができるというわかりやすい指標もあります。このように目標設定を的確に行うことで、プライドの高い生徒をやる気にさせることができるのです。
2、指示するのではなく提案させる
プライドの高い生徒は誰かに指示されることを嫌います。「この復習問題を解きなさい」と言えば、「なんで今更復習なんかしないといけないんだ。復習なんかしなくても平気だ」となるのです。また、特に復習や確認問題を何度もすることを嫌がる傾向が強くあります。重要なところだからといって、これを無理やりさせようとすると大きく反発するのです。
この状況を打開するには、強引に指示をしないことです。こちらが指示を出すのではなくて、成績を上げるため、今回指導した内容を忘れないようにするためには、どの部分を宿題としてやるのが良いかを自分で考えさせて提案させるのです。「自分で範囲を決める」ことで必ずやらなければいけないという状況にしてしまうのです。
この方法は宿題だけに限らず、指導中にも使えます。問題のできなかった部分を「違う、こうするんだ」と指導するのではなくて「どこが違うと思う?」と自分で考えさせるのです。
3、何でも勝ち負けで考えるので勝ち癖をつけてやる
プライドの高い生徒は基本的にすべてを勝ち負けで考えます。そして自分は「勝つ側」に居ないと気が済まないのです。この場合は負けるのは他人とは限りません。
「成績が良い自分」「問題が解ける自分」が勝ちで、「成績が下がった自分」「問題が解けない自分」が負けの場合があるのです。そのために彼らのイラ立ちは他人ではなく自分自身に向くこともあるのです。
成績が下がったり問題が解けなかった自分自身が許せないのです。
このタイプの生徒は冷静に自己分析ができていることが多くあります。そして自分で能力の限界を勝手に感じてしまって劣等感を密かに抱いている場合があるのです。
よく鼻っ柱が強いタイプは一度失敗した方が良いということを言いますが、このタイプにあまり劣等感を抱かせ続けるのは危険です。自分に対する劣等感が処理しきれなくなってイラ立ちの矛先がわからなくなり暴走してしまうのです。
むしろこのタイプはうまく小さい目標を達成させ続けて勝ち癖をつけてやった方がスムーズに進みます。自分で考えて努力していくことができるので、無理に失敗させる必要などありません。
4、期待していることを伝える
プライドが高く気が強いタイプは「君に期待している」ということを素直に伝えることが正解です。逆に内気で気が弱いタイプに期待をかけていることを伝えすぎるとプレッシャーでつぶれてしまいます。
なぜこのようなことが起こるのかを学術的に考えてみると、生徒たちはその性格によって「自己達成予測」と「実際の成果」が大きく違うものなのです。簡単に言うと「自分ならこれくらいできるはずだ」と考えているラインがそもそも違うのです。
今回の定期考査で350点だったとしても「自分は400点くらいとれるはずだ」と思う生徒には「400点くらいとれると信じている」と声をかけてやれば「当然だ」と前向きに反応してくれるのです。
このようにプライドの高い生徒は対応に難しい部分はありますが、きっかけさえ正しく与えてあげれば、むしろ自分で考えて努力していくことができやすいタイプの生徒です。正しく導いてあげるようにしましょう。