一般的な高校と言えば普通科が多いのですが、近年では「総合学科」という学科を設置する高校が急激に増加してきています。
しかし総合学科と普通科の違いはわかっていないという人も多くいます。
そこでここでは増加傾向にある総合学科について紹介していきます。

▼目次

総合学科とは

総合学科の概要

今までにあったのは普通科や工業、商業といった専門科でした。
総合学科はその中間に位置するような学科と言えます。
近年高校生の進路の希望は多様化が進んでいるために、それに対応するために設置が増加してきています。

設置自体は平成に入ってから始まっており、まだ25年ほどの歴史しかありません。
授業は高校生が必ず学習しなければならない必履修科目と選択科目があり、授業の選び方は大学のような部分もあります。

文部科学省の指針によると総合学科は、「選択科目の中から生徒が自分で科目を選択し学び、生徒の個性を生かした主体的な学習を重視すること」や「将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視すること」ということを目標としています。

総合学科の科目とは

まず高校で必ず学習しなければならない「必修科目」があります。
これは国語総合、数学Ⅰ、科学と人間生活、体育、語学などで、全員が学習する必要があります。
そして「原則履修科目」としは、情報に関する基礎的科目や課題研究などがあります。

ここから総合学科の特徴が強く出るのですが、「総合選択科目」として、情報、福祉サービス、生活文化、環境科学、体育・健康などのような生徒が自己の興味・関心、進路等に基づき選択して履修する科目があります。
これは生徒が自分で選択して選んでいくために生徒によって受ける授業が違うことになります。
こういった科目の他にそれぞれの学校が独自に設定する「学校設定科目」が足されることになります。
このうちの総合選択科目は、コンピューターに関するもの、マーケティングに関するもの、語学に関するもの、商業や工業、茶道、デザインなど進路にも関わる多種多様なものが用意されています。

普通科だけの高校には無い科目が多く、総合学科の大きな特徴となっています。

総合学科のメリットとデメリットとは

総合学科のメリットとは

普通科の高校に進学すると基本的には決まったパターンの勉強を受けるという形になります。
一番オーソドックスな形とは言え、そのパターンに飽きてしまうような生徒は途中で学校を辞めてしまったりすることもあります。

また、商業や工業の専門科の高校に進んだ生徒の中には自分がやりたいことと違ったという生徒もいます。
こういった生徒は3年間その学校で学習することが苦痛に感じてやはり辞めてしまうことになります。

普通科というタイプではないが商業や工業というタイプでもないという生徒に対しては色々と科目がある中で自分が授業を選ぶことができるので非常に向いていると言えます。
それぞれの進路選択に対しての相談にのってもらえるということもあり、学習してきたことが進路に直結するというメリットもあります。

自分のやりたい勉強を高校でできるというのは最大の利点と言えるでしょう。
学校やコース、選択した授業によっては資格や免許の取得について支援してもらえることも多く、就職や進学する際にも有利になるということもあります。

総合学科のデメリットとは

総合学科は色々なメリットがある学科なのですが、いくつかデメリットもあります。
まず授業の選択ですが、人気となる授業は定員や教師の配置の都合もあって必ず選ぶことができるとは限りません。

抽選ということになったり、違う授業を選択するようにすすめられることもあるでしょう。
その場合自分が望む授業を選ぶことができないということも考えられます。

2つ目は授業によっては非常に難解な内容になることもあるということです。
総合学科では一般的な教科書を使わずに違った教材で学習をすることがあります。
そのため授業によっては非常に難解な内容になることもあり、自分で調べる、予習復習をしなければ授業についていけないということもあります。

また、指導する教員もその分野の専門家であることが多く、普通科のように一般的なことばかりを教えるわけではないということがメリットであると同時にデメリットになることもあるのです。

総合学科で単位制であった場合などはその科目の単位を落としてしまうということになり、進級や進路にも大きく関わってきてしまいます。

3つ目としては自分で科目を選択することができるために本当に進路に必要な科目を
すべて取っているかどうかがあやしいことがあるということです。
進学に数学が必要なのに数学を選択していなかった。理科系や看護系に進みたいのに生物などの科目を取得していなかったということが起こりうるのが総合学科です。
大学入試や専門学校の入試に必要になる科目を逆算して選択していくということが必要になります。

1年次や2年次の時点で先のことを考えて科目を選んでいかなければならないのです。
みんなが放っておいても同じ科目を受けることになる普通科とは大きく違う点と言えるでしょう。

まとめ

いくつかのデメリットはあるものの総合学科には大きなメリットもあります。
自分が何をしたいのか、どういった授業を受けたいのか、どのような進路に進みたいのかを考えて、総合学科という選択肢を入れるのも良いかもしれません。