高校受験において部活動が重要か重要ではないかについては、様々な意見が出されています。
これは結論から言えば、どちらも正解とも言えます。
重要になることもありますし、ならないこともあるからです。

そこでここでは高校受験における部活動の関わりについて紹介していきたいと思います。

▼ 目次

なぜ部活動が重要になるのか

内申書に記載される

ほとんどの公立中学校では部活動に関しては参加は任意となっています。
そのため強制的に入らなければならないということはないのですが、多くの生徒が参加しているのが現状です。

部活動に参加していると内申書の「特別活動の記録」の欄に記載されます。
部活動に参加していないとこの欄が空欄になることになります。
まずはこの部分が違ってくるのです。

優秀な成績を残しているとアピール材料になる

行っていた部活動で優秀な成績を残していた場合、たとえば全国大会に出場した、コンクールで賞を受賞したといった記録がある場合は大きなアピール材料になります。
公立高校ではそれほどはっきりとプラスにはならないのですが、私立高校の場合は加点されたり、入学金の免除などに関係したり、推薦などにも関わってくることがあります。

特に優秀な成績を残している場合は、推薦入試の勧誘が発生することがあります。
授業料免除、入学金免除などの優遇措置がとられることも多くありますので、どんどんアピールをしていきましょう。
こういった点を考えるとプラス材料になると言えます。

ただしスポーツなどの推薦入試を受ける場合は専願入試となりますので、よく考えて利用しましょう。

アピールできるのは部活動だけではない

このように内申書でアピールできるのは部活動だけではありません。
内申書では英検や漢検などの検定資格を持っていたり、生徒会活動、文化祭や体育祭の実行委員などアピールできるものは色々とあります。

また、近年では通知表の数字評価だけでなく観点別評価の重要度が増してきています。
その科目に対して「関心意欲」を高く持って、まじめに取り組むということが内申書対策として重要になるのです。

これは「授業中の態度」「提出物の徹底」といったことが大きく影響してきます。
たとえテストの点数がよくても授業中の態度が悪くて提出物を出していなければ良い評価はつかないようになっているのです。

部活動に縛られる必要はない

直接的なプラス点になるわけではない

部活動を行っているとアピールになるからといって必ず参加しなければならないというものではありません。
部活動に参加していなくても何も問題なく高校受験に合格している生徒は数多くいます。
部活動をやっていたから合格しやすくなるとは言えないのが現実なのです。

そのため無理をしてまで部活動をする必要はありません。
その時間を勉強にまわしたいというのであれば、そちらを優先させるべきでしょう。

時間的な制約や受験勉強期間にも関わってくる

部活動を行っていると当然ですが夕方に時間的な制約を受けることになります。
部活動に参加していなければ、その時間を勉強にあてることも可能だったかもしれないのです。

また、部活動によっては引退時期も重要になってきます。中学3年の夏休み前に引退をする部活動であれば、塾や家庭教師などの
夏期講習に問題なく参加できますが、部活動を続行している場合などは思うように夏期講習に参加できないこともあります。

吹奏楽部のような一部の部活動は秋から冬にかけてまで引退が延びることもあります。
こうなると本格的に受験勉強を開始するのがどんどん遅れてしまうことになるのです。
このスタートが遅れれば遅れるほど受験生にとっては不利になっていきます。

生徒によっては大きく成績を上げる機会かもしれない

塾や家庭教師で講師をしている人がよく経験するのが、中学3年の夏以降に急激に成績を上昇させてくる生徒を見ることです。
これには部活動が少なからず関係しています。
部活動を熱心にやっている生徒は帰宅してくることには体が疲れ果てています。
部活動によっては朝練があることもありますので、できるだけ早くお風呂に入って寝たいと感じます。
勉強をすることに対しても部活動を言い訳にしがちです。

このように十分に勉強時間をとってこなかった生徒が部活動を引退すると大量の時間を作ることができます。
そのタイミングで塾や家庭教師の夏期講習などが重なれば、今まで持続的、継続的な勉強をしてこなかったこともあって、秋以降に急激に成績が上がることがあるのです。
もちろん体力的にはしんどくなってきますが、部活動をしてきた体力があるので問題なく乗り切っていくのです。
そういった意味では縛られる必要はないものの、決して無駄ではないと言えるかもしれません。

まとめ

部活動が高校受験にとって重要かどうかというと、そうとも言えるしそうでもないとも言えるということがわかりました。
やっていてマイナスにはならないものの、無理をしてまでする必要はないと言えます。
生徒の普段の勉強の取り組み方を見て判断するのも良いのかもしれません。