物理のような専門科目は好き、嫌いが大きく分かれる科目でもあり、
教える教師の個性が強く出る科目でもあります。

例えば、物理に興味がなく苦手としている生徒に理論をこれでもかというくらいに
ぶつけて解説をしようとしたら、生徒が物理を好きになれるはずがありません。

ますます苦手意識を募らせるだけでしょう。

特に物理は暗記する項目は少なく、理解や応用が多い科目です。

解き方のポイントがわかればスラスラとできるようになる科目でもあるのです。

ここではその物理という科目の特徴と勉強法を紹介していきたいと思います。

▼目次

1. 物理とは

高校の理科でメインになる3つの分野、物理・生物・化学の中で物理は基礎となる分野と言われています。

数少ない暗記する部分を覚えていけば、その知識が他の分野に応用できることが多いのです。

ただその特徴から独学のみで勉強するには向かない科目とも言えます。

問題を見て解き方が閃かないものをいつまでも眺めていても何も解決しません。

その根本となる解き方は学校の教師、家庭教師、塾や予備校の講師に
指導してもらうほうがわかりやすいかもしれません。

また、どうしてもイメージがわかない場合などは
身近にあるもので連想するのが良いでしょう。

日常生活は物理の力が働いていないことなどほとんどありません。

物を投げる、バネが伸びる、電車が走る、すべて物理がからんでいます。

距離が伸びると加速していくのは坂の上からボールを転がすことで連想できます。

電車が出発すると徐々にスピードが上がっていくことでも良いでしょう。

ただ文章を読んで理屈で理解しようとするのではなく、
身近なもので理解したほうがわかりやすいと言えます。

実際に高い場所から石やボールを落としてみても良いかもしれません。

自分が行ってみることでその理屈が文章の理屈ではなく
実際の現象として理解できるようになります。

ただ、どうしても最初のとっかかりが自分で行うのが難しいという科目ですので、
その部分を指導してもらうのが効率的なのです。

物理になれた教師や講師に噛み砕いて説明してもらうことでスムーズに
理解することができるでしょう。

これは数学の図形などでもそうですが、人間は頭の中にイメージができないものを
文章で理解するということはできにくくなっています。

逆にイメージさえ頭に浮かんでしまえば楽に問題を解くことができるのです。

2. 5つの分野、どれから進める?

物理には「力学・電磁気学・熱・波動・原子」という5つの分野があります。

それぞれに特徴はあるのですが、そのベースとなる知識や考え方は同じものです。

その基礎となるのが「力学」です。

そのためにまず力学から勉強していくのが良いでしょう。

一番基本的な考え方は中学の理科でもでてきます。

「~の法則」と覚えているものはこれに当たるものがほとんどです。

この分野を理解することができれば他の分野は力学を応用させたものが多いので、
非常に理解しやすくなっていきます。

逆に力学を理解していないのに他の分野に取り組んでも理解しにくくなっているのです。

力学が理解できたら次に出題される可能性が大きい「電磁気学」を行うのが良いでしょう。

ただし電磁気学は覚える公式もあり、しかも電磁気は目に見えるものではないために
難しく感じる生徒がいる分野でもあります。

電線を見ても電気が実際に流れているのを目で確認することができないからです。

これも電線という管の中を電気が移動していることをイメージすることが重要です。

力学と電磁気学が理解できたら「熱」と「波動」に取りかかります。

実際の入試に出題されるのはほぼここまでです。
大学の入試で「原子」が出題されることはあまりありません。

3. 自分で勉強する際のポイント

そもそも自分で勉強するのには向かない科目が物理かもしれません。

ですが、自宅などで自分で勉強するにはどうすればよいでしょうか。

まず問題集をざっと解いてみて「できる問題」と「できない問題」に分けましょう。

できなかった問題を解説を読んだり参考書や図説、
資料集などを見て理解することができれば良いですが、
「わかったつもりになる」ことは非常に危険です。

やはり物理の先生や家庭教師に説明してもらうのが無難でしょう。

そして自分が受験する学校の過去問を解きましょう。

学校によってどの分野や単元が多く出題されるかという特徴があります。

その学校で良く出される範囲や分野を理解しておくことは必須です。

また受験する大学によって難易度が大きく変わる科目でもあります。

それにあった問題集を解く必要がありますが、
何冊もこなさないといけないというものではありません。

暗記よりも理解がからむ科目ですので、
自分のレベルにあった問題集を一冊じっくりと仕上げるほうが効率的です。

一度ポイントが理解できれば次々と問題が解けるようになることもあります。

最初の一歩が難しいからと言ってすぐにあきらめないことが重要でしょう。

4. まとめ

単純に「難しい」というイメージがある物理ですが、
わかりだすとそこからは非常にスムーズに進みだす科目でもあります。

入試や模試に出題される形式や傾向もある程度決まっていますので、
正しく理解できれば難しい科目ではありません。

わからない部分を説明してもらうというスタンスで取り組んでいけば勉強しやすいでしょう。