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「理科が好き、得意」「理科は嫌い、苦手」と言うことはよく聞きますが、一口に理科と言っても「物理」「化学」「生物」と分かれています。そしてそれぞれは勉強の仕方や入試での点数の取り方で考えると完全に独立しているために「理科の勉強」とひとまとめにすることはできないのが実情です。

ここではそのなかの「物理」に焦点を絞って解説をしていき、勉強する際や復習をする際のポイントを紹介していきたいと思います。

1、物理とは

まず他の化学や生物との違いは「暗記」か「理解」かということです。よく「物理は暗記だ」という参考書を見ることがありますが、それは間違いと言えます。純粋に暗記をする内容は化学や生物よりもはるかに少なく、3分の1から5分の1ほどです。そう考えると「暗記科目」と言うことはできないと思います。

暗記が少ないということは「問題や文章を読んで理解した上で応用したり式を作ったりして解く」ということです。そのために物理を選択するということは自分の物理への適正や勉強への性格も関わってきます。

暗記が特に多い生物などでは時間をかけて暗記をしっかりとしていけば点数が取れます。コツコツとやった勉強時間が結果に出やすいとも言えます。しかしかなり細かいことまで暗記していなければ満点に近い点数というものはとれません。そのためにある程度点数をとっている分布をグラフにするとなだらかな山なりの曲線になります。

しかし物理は「閃くかどうか」「理解しているかどうか」ということが大きくものをいうために点数の分布は極端になっていきます。理解している学生はかなりの高得点をとります。逆に理解できていない学生はまったく点数を取ることができません。それほど「専門性が高い」科目と言えるでしょう。そのためにまったく物理に興味がない、もしくは今までまったく物理の勉強をしていない学生にとっては最初の一歩が踏み出しにくいかもしれません。踏み出してもいきなり点数を取るということは不可能でしょう。

ただ、一度理解してしまえばその理解が応用にどんどんつながっていくので楽になっていきます。暗記にかけた勉強時間がそのまま点数になるような科目とその部分が違うと言えるでしょう。

2、物理の勉強方法

物理はその専門性からガチガチの理系科目と考えられています。公式の理解から閃き、数式の展開までを考えていくと確かに文系の人間にはつらいかもしれません。しかしその部分には2つの注意が必要です。

まず一つはそういった特性がある科目ですので、純粋な理系が選択してくるために入試での平均点が高くなったりするのです。点数を取ってくる層はとにかく高得点を取ってくるというイメージでしょうか。そのため生半可な点数では太刀打ちできないという事実があります。

もう一つは「文章問題」があるということです。多いものになってくると1ページまるまる文章が書いてあって、その文の最後に問題がついているというものもあります。そこまで来ると「読解力」「文章理解力」というような「国語力」がなければ早く正しく理解することができません。何を聞いているかがわからないためにどんな式を立てればよいのかが思いつけないということがあるのです。これはある程度難関の大学に強い傾向と言えますので、難関校を受験する場合には気を付けておかなければいけません。

3、物理の復習の仕方

物理の特性から考えると暗記問題をとにかく量をこなすというようなタイプの復習はする必要がありません。大量の問題集を解くのではなく、厳選した問題集をしっかりと解きこむという方が重要です。自分のレベルにあった問題集をまず一周解き、合っていた問題と間違えた問題に分けます。そして二周目に入り、もう一度解き込みます。さらに三週目に入ったときには間違えていた問題を解説をじっくりと理解しながら時間をかけて解きます。このとき問題数を大量に解くことを意識する必要はありません。それよりもその一問を「なぜそうなるのか」と理解しきってしまうことが重要です。もし自分にあった問題集が難易度の低いものであったとしても問題ありません。むしろ理解できない難解な問題集をやっていてもまったく意味のない行為だからです。基礎的な問題であっても、それをじっくりと解きこむということを重視して勉強をするようにしましょう。解く際は「問題の意味と意図を理解する」「早く正しく理解する」ことを意識しているとより効果的になります。特に文章が長い問題になってくると「速さ」も必要になってきます。ぼんやりと復習するのではなく、より成果が上がるように取り組みましょう。

4、まとめ

物理は一般的な社会や理科の分野に多い「暗記が重要」な科目ではありません。そのために「正しく文章を読める」「理解してそれを応用させる」力が必要になってきます。その部分を意識しないでただ量をこなしても復習の効果がありません。数をこなす必要はありませんので、数冊の問題集をしっかりと理解しながら解きこむことを意識するようにしましょう。